Doll with a heart (ページ27)

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side Daiki
「遅いな…。」

慧帰ってくるの遅いな。

今日こそは、慧の過去を最後まで聞こうと決めた。そのせいか、慧が買い物に出かけてから、覚悟を決めようとして、ソワソワしてしまっている。

しかも慧の帰りが遅いから、さらに不安になってしまいキャパオーバー寸前になってしまっている。
早く帰ってきてくれー！

ガチャ

鍵をあける音が聞こえた。慧が帰ってきた。

「慧、おかえり…先輩？」
「ただいま、大貴。」
「お邪魔します。」

慧と一緒にいたのは、何故か髙木先輩だった。

話を聞くと、色々あってバレてしまったらしく、慧の正体について話しながら、帰ってきたらしい。

「足自体に傷とかなかったけど、念の為に送ることにしただけだよ。」
「…そうですか、ありがとうございます。」
「ちょっと顔怖いよ。」
「だって、慧のこと一目惚れしたとかって言ってたじゃないですか。慧に変なことしてませんよね？」
「ごめんごめん、あれは冗談だよ。有岡くんって表情がコロコロ変わって面白いからさ。」

からかってたのか！先輩じゃなかったら、キレてたよ。

「もしかして、ヤキモチとか？」
「何言ってるんですか！」
「だって、ヤキモチ妬いた女の子みたいだったから。」
「はぁ///」

これってヤキモチってやつなわけ？ってか俺は女の子じゃないし…。
そうやって慌ててると…。

「髙木、大貴を困らせないで。」
「わかってるよ。それじゃあ、また大学でね。」
「え…あ、ありがとうございました！」

と、帰っていってしまった。

「大貴、ご飯食べよう。」
「うん。」

それから、夕食中もシャワー中も髙木先輩の言葉を思い出してしまう。
ヤキモチ妬いてたのかな？

この間から、慧関連のことでドキドキしたりする心、ヤキモチを妬いてしまったというさっきの俺。
これって、もしかして…。

「大貴？」
「うわっ！！ビックリした。」
「さっきから声掛けてたよ。」
「そうなの？ごめん。」
「疲れてるなら休んでね。おやすみ。」
「うん。おやす………ってダメ！」
「ふえっ？」

忘れてた！今日は慧の過去を最後まで聞くんだった！

「慧、準備は出来てる！慧の話の続きを聞きたい。」
「けど、明日もあるし。長くなるよ。」
「明日は、大学もバイトも無いから大丈夫。だから、慧の話を聞きたい。慧の手助けをしたい。」

それを聞いた慧は、覚悟を決め、真剣な顔になった。

「大貴……ありがとう。じゃあ、今度は最後まで話すね。」

そう言い慧は話し始めた。