Doll with a heart (ページ16)

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◆ ページ16

「ところで、例の話はどうなったの？」

彼が興味津々で聞いてくる。

「聞いてよ！ユウが遂に認めてくれたんだ！」
「本当？ってことは遂に…。」
「うん。俺、人間になれるんだ。」

人間になる？
そんなことが本当にできるの？

「へぇ。やっぱユウはすごいね。どうやるの？」
「そういうのはこれからだって。
本当に楽しみだな。もう誰にも文句は言われない。みんなみたいに美味しいものを食べたりするんだ〜。」
「確かに。…けど、約束のこと忘れてないよね？」
「うん。俺が人間になれたら、一緒に暮らそう。」
「うん。例え、俺たちが死んでも、生まれ変わっても一緒だからね。」
「うん。」

・

「…慧！起きて！！」
「んん…。__？俺寝てた？」
「ごめん、最初ちょっと聞き取れなかった。ってか慧って俺とか言うキャラだっけ？」
「だ、大貴？僕どうしたんだっけ？」
「気を失ってたんだよ。人形は寝ないって言ってたけど、気を失ったりはするんだね。」

ここは…大貴の部屋だ。
そうだ。ここはあのひまわり畑じゃない。

「ねぇ。ちょっと聞きたいんだけど、ひまわりで何かあったの？」
「……なんのこと？」
「いや、ひまわりを見て急に気を失ってたからさ。」
「気のせいってやつだよ。」
「そうなのかな？」
「そんなことより、さっき言ってたキャラって何？」
「ええっ！えっとね………」

本当は嘘。
ごめんね、大貴。本当は全部知ってる。いや、思い出した。

けど、もう少しだけ秘密にさせて。ちゃんといつかは話すから。

俺は、一刻も早くあいつを探さなきゃ。

人間になるために…。

『生まれ変わっても一緒だからね。』

あの約束を守るためにも…。