フェルマーの最終定理なんて解らないけど【QK】【trsk 】 (ページ4)

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5月上旬ページ4

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ありがたい事にQuizKnockの知名度も上がり人手が足りなくなってきたから、先月ライターのアルバイトを募集した。応募はサーバーが落ちるギリギリといった量。僕含め採用担当の人の顔がどんどん死んでいく。野菜と格闘する方がまだマシかもしれないなぁ

しかも量とは裏腹にピンとくる人がなかなか現れないと来た。これは消去法になるか……？

伊沢「ねぇ、この人良くない？」

同じく作業していた伊沢が見せてきた画面を見る。名前、所属大学、資格など記入事項にざっと目を通していくと、僕の手はクイズ経験の欄でスクロールが止まった。

クイズ経験は高校の時に一回のみ、しかも代打で出ただけらしい。それなのに4位。よほど対策したのか地頭が良いのか。

どちらにせよかなり期待できる頭脳じゃない？これ。

『うん、かなり良いね。この応募フォームだけでも文才が見受けられる』

伊沢「でしょう？笑」

そう、この人の記事は言葉の端々にセンスが光っているのだ。応募者には一つ記事を書き上げることを課していたのだが、まずタイトルが『源氏物語は糖度50⁉︎』これは皆引き込まれるでしょ。

書き出しもなかなか尖ってて、

「皆さん学生時代に一度は源氏物語について触れたことがあると思います。紫式部によって平安時代に書かれたこの物語。実はかなりスイーツ文なんです。ロミオメールを送ってくる彼氏は嫌われる傾向にありますが、光源氏はロミオなんて比でもない程ロマンチスト！しかも某校長並みにプレイボーイな源氏。どうです？世の女性方。ロマンチストで火遊びの好きなハイブリッドイケメンはお好きですか？…」

伊沢「いやー俺この人が書いた記事もっと読みたいわ」

河村「ふぅん、なかなかセンスが良い」

お、神が認めた。僕もこの人が書いた記事をもっと読んでみたくなったし、この人と仕事ができたら楽しいかもしれない。

『この人採用にしましょう』

他の数名も選び、他の人からも採用の承認を得た後、採用の通知を送る。

草薙瑞稀様

株式会社QuizKnock の福良です。
先日は応募ありがとうございました。その後、弊社の採用基準に基づき厳正な選考をさせていただきました結果、貴方をアルバイト従業員として採用することを内定致しましたのでお知らせいたします。
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【選考結果】
　内定

彼女はきっとこの会社を良い方向に進めてくれるのだろう。
まだ見ぬ彼女に期待を抱きながら、敏腕プロデューサーは次の仕事に向かった。