フェルマーの最終定理なんて解らないけど【QK】【trsk 】 (ページ18)

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『恋する乙女、ですか。そりゃあまた何を根拠に？』

「だって、瑞稀ちゃん鶴崎が居ると髪整える回数多くなるし、たまに視線が追いかけてるよ」

須貝さんがニヤニヤしながら私の行動を明かしてくる。
思いの外バレていたらしい。なんという失態。
あまりに酷い顔をしていたらしい。俺以外は気づいてないと思うから安心して、とフォローしてくれた。だが顔はニヤついたままである。説得力の欠片もない。

しかし、鶴崎さんと恋人になる未来が微塵も想像出来ないのだ。手を繋いだり、隣を歩いたり…どうしても第三者の視点からしか想像出来ない。

所詮私の様なやつはモブなのだ。どこかそういう考えが染み付いて拭えないのかもしれない。

チャーハンを食べながら少し自己嫌悪に浸る。

『まあ、時間はまだまだあります。これから気持ちを構築していきますよ』

「そう。ま、なんかあったら言ってよ。俺高校時代恋のキューピッドで有名だったから。」

そうドヤ顔で話す彼に、思わず笑みが浮かんでしまう。耐えきれず声を出して笑うと、彼は驚いた様な表情を浮かべながら呟く。

「瑞稀ちゃん、鶴崎の前でもそのくらい笑えば良いのに」

カキーンッという甲高い金属音の後、テレビの中からは割れんばかりの歓声が聞こえてくる。

「あ、打った。」