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康一は結局、その少年に乗せてもらうことにした。
「荷物は前の座席。お客様は後ろの座席に」
重たいトランクは言われた通りに前の座席に置くと、運転席に乗った少年に厳しい口調で言った。
「1つ言っとくけど、ぼくを旅慣れていない日本人だと思って甘く見ないでほしいんだ。ちゃんとホテルまで正直に送り届けてよ」
「はい、正直に送り届けます。」
扉を閉めた康一に少年は更に付け加えた。
「ただし、"空っぽのバックだけ"ですけどね」
少年の右足はアクセルを強く踏み、車に乗ろうとした康一を置いて急発進した。
「あれ、ちょっと?ぼくまだ乗ってないけど…まさか!?」
(ナマエ)に言われた単語が頭に浮かび上がる。
そう、彼は詐欺をしたのだ。
「待てー!」
運転手はその声も無視し、「チャオ」とだけ呟き運転する。
だが、突然車が止まってしまった。車が重くなったかのように、タイヤはメリメリと地面に食い込む。少年は何かの故障だろうとギアを変えたり、アクセルを踏み直したりしたが、全く動かない。
「残念だったね」
トーンが下がった声で康一は車に近づきながら言った。彼のスタンド エコーズact3が車に重力をかけて動きを止めているのだ。
「言っただろ。甘く見るなって」
車から出た少年は康一を睨む。
「別に逃げてもいいよ。荷物さえ無事ならそれでいいんだもん」
すると、少年の口角が少し上がった。
これには違和感を感じたが、少年は何処かへと逃げてしまい、康一はそれを追わなかった。
「見ろよ。ジョルノのヤツ、失敗してやがる」
どこかで聞いたことのある声。その声に視線を移すと、あの少年が芸を見せていた相手 2人の警官だった。
「半分日本人のくせに、日本の旅行者を騙そうとするからだ。まっ、あの髪の色にジョルノ・ジョバァーナって名前じゃあ、ヤツが日本人だって分かるヤツはいないがな」
1人の警官の話に康一は反応するが、視線を車に戻す
「…まさかな」
前の座席の扉を開く。そこには、自分のトランクがなかった。
逃走した少年は確かに何も持っていなかった。では、トランクは何処に?
トランクの代わりにあったのは、粘膜に包まれた何かだった。
「何かの卵か?」
それに恐る恐る手を伸ばす。突然、粘膜の中にいる何かがこちらに顔を向けた。
「うわぁ!?」
その中身はみるみるうちに成長し、粘膜から破って出たのはカエルだった。
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ぱるめん(プロフ) - お久しぶりです。コメントありがとうございます!これからも応援をよろしくお願いします! (2019年1月13日 22時) (レス) id: 5159b5f555 (このIDを非表示/違反報告)
ニックネーム(プロフ) - すごく面白くて続きが気になります!更新がんばってください!! (2018年12月5日 16時) (レス) id: 8b8855a9c6 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - あ〜良いこと言う!! (2018年12月2日 23時) (レス) id: 75f3298f74 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるめん(プロフ) - 確かに、助け合いは大切ですね。何かあれば、またお願いします。 (2018年12月2日 23時) (レス) id: 5159b5f555 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - コメ返に追い付けないww (2018年12月2日 23時) (レス) id: 75f3298f74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱるめん | 作成日時:2018年11月30日 20時