その 7 ページ8
クザンが甲板に着くと、連れていた人の何十倍の海兵が綺麗な列を作って待っていた。
「青キジ大将見回りご苦労様です！」
この言葉を発した男の敬礼を合図に、皆も一斉に敬礼した。その男は私の予測するに伍長とか軍曹辺りの、言っちゃ悪いが下の上の方って感じだろう。
だが、そんなのはどうでもいい。命を賭け、苦労もしている人間であることは変わらない。私もここの船員、皆を労わる気持ちを込めて敬礼した。
「はいはい、毎回お迎えお疲れさん。別にしなくても大丈夫って言ったのに」
だが、クザンはそれが面倒なのか適当にあしらい、通り過ぎた。私も敬礼しつつ、彼らの前を失礼する。
「ですがルールですから。して、その後ろに連れた子は誰です？見たことのない顔ですが……」
私が通り過ぎた時に、やっと、その男が今列を成している者全員が思っているであろう疑問が投げられた。
なんて話そうか。そう呟いた後、クザンは数回頭を掻き、天を仰いだ。その後、彼は少しだけ海兵の方へ顔を傾け、
「俺の妹みたいなもん……まあ、そんなところだ」
と答えた。途中複雑な顔をしていたので、私は少し気引っかかったが、メンタリストではないので読み取ることは諦め、気にしないことにした。
よろしく頼む、と付け加えると彼はまた歩き出し、目の前の扉の中と入っていった。
私は入っても良いのかと少し戸惑ったが、
「何しているんだ？入りなさい」
と扉の間からクザンに促されたため、遠慮なく入らせていただいた。
うわ、全部デケェ。
これが私の最初の感想。
3m級巨人となるとこんなにも部屋が大きいのか。
ベッド、机、ソファと必要最低限の家具だけの、青が基調とされた部屋。
生活感と職場感の混ざったその部屋は、私に感動と細部への興味を与えた。
目に焼き付けておこうと、貴重な海軍大将のお部屋を探検していると、ふと体が浮いた。
「少しは落ち着きなさいな。見たことないところで落ち着かないのはわかるけどさ」
後ろから高い高いをされるような形で抱えられた私は、ソファの上へと優しく移動された。
子供とアニメ補正すごいな。前はこんなに優しくされた記憶ないわ。両親ほぼ家いなかったから…おとなしいからって仮眠取った隙に一人にされる人だったから……。
生暖かい感触が頬を伝った。私こんな涙脆かったか？
さらに睡魔も襲ってきた。
きっと船特有の揺れ、涙、ソファのふわふわ感、疲れだろう。
私は素直に横たわって、瞼を閉じた。
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黒狐(プロフ) - ふぃるさん» 気に入っていただき何よりです！白ひげ海賊団推しなんですね！そこまでできるだけ早く更新できるように頑張ります！コメントありがとうございます！ (2017年4月10日 0時) (
レス) id: 7667610d64 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃる(プロフ) - 他界他界に思わず吹きましたw これからどんな風にキャラと関わっていくのか楽しみです！（特に私は白ひげ海賊団推しなので楽しみにしてますぐへへ...） (2017年4月9日 23時) (レス) id: aab9086244 (このIDを非表示/違反報告)
黒狐(プロフ) - ルイカさん» 感想、そして応援コメントありがとうございます！更新できるように頑張ります！ (2017年1月6日 23時) (レス) id: 337def3edd (このIDを非表示/違反報告)
ルイカ(プロフ) - さらっと演技したり海軍に潜り込んだりする夢主がすごいです。更新頑張ってください！ (2017年1月6日 17時) (レス) id: 4660d06a48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒狐 | 作成日時：2016年1月10日 10時
