その 36 ページ37
「また随分と派手にやったねぇ」
光の速さで取ってきた救急キットを片手に、サボの腕に包帯を巻いていく。私が暴走した罪は深く、それを隠していくかのように。
時にイテッと漏れる声は私の心もチクリと刺す。
割と私の旅は序盤よ？なのに推しに傷をつけるなんて、トホホ……。
「なに肩落としてんだ？」
サボが包帯を巻く私の手を止め、こちらを覗き込む。
「ほら、ここの3人は全員無事で、エースもルフィを認めたから、もうお前は姿をわざわざ変える必要なくなったし、で心配事は無くなったんじゃねぇの？」
「まあ、そうなんだけど……って今なんて？」
私の聞き間違いではないかと疑い、聞き直す。
「いや、だからもう姿は変える必要無いだろって＿＿」
「あーそうだ！俺、エースから聞いたぞ！もう1人のヤツ、お前だったんだってな！」
エースによって絆創膏を顔中に雑に貼られたルフィが口を挟む。
なんか言われるかな、と目をつぶって腹を括るけど、ルフィから告げられたのは怒りの言葉ではなく、喜びの言葉。
「友達になろうとは思ってたけどもう友達だったな！」
ニッと笑うルフィはさながら太陽であり天使。
「黙ってエースと一緒にいたことは怒ってない？」と当人は考えてもいなさそうな問いを投げかけるも、「なんでお前が先にエースと友達になっただけで怒らなきゃいけねぇんだ」なんて眉を寄せるだけで、面白おかしくて笑ってしまう。
「まっ、海賊になるんだから、大男1人に負ける訳にはいかねぇし、これ1個で終わりじゃねぇだってこと思い出すには丁度良かったんじゃないか？」
とサボが首をエースの方に傾け、そうだろ？と視線を送る。
「ん、そうだな」
それに素っ気なく返事するエース。
次の音までは束の間で、3人のお腹は、グッグッ〜と体力の消耗を知らせる。
「今日は一日中バタバタしてたからな。お腹鳴って当然だな。今日は私1人で狩ってくるから先に行ってて」
仕上げを終わらせて、いつもの狩場に向かおうとすると、腕を引かれ、体勢を崩しそうになる。
掴まれた腕を辿っていくと、まさかのエースさん。
「女1人で行かせられるか」
なんて格好良いこと言って。
「怪我人に守られるほど弱かないですよー。それにほら、頑張った賞のご褒美くらい用意させて」
と言って振り解き、改めて、狩り場へと向かった。
さて、今日は久々に大将のお力をお借りしよう！
なんて張り切ったら、いつも3人がかりのワニを仕留めたので、絶句されたAでした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 210人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
【刀剣乱舞】乗っ取る気なんてありません。彼らが勝手に着いてきてくれるんです。 【名探偵コナン】メンクイなのは認めるが、天然タラシでは断じてないっ！ 【ワンピース】どうせ死ぬなら君の元で 3rd【サンジ】もっと見る
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒狐(プロフ) - ふぃるさん» 気に入っていただき何よりです！白ひげ海賊団推しなんですね！そこまでできるだけ早く更新できるように頑張ります！コメントありがとうございます！ (2017年4月10日 0時) (
レス) id: 7667610d64 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃる(プロフ) - 他界他界に思わず吹きましたw これからどんな風にキャラと関わっていくのか楽しみです！（特に私は白ひげ海賊団推しなので楽しみにしてますぐへへ...） (2017年4月9日 23時) (レス) id: aab9086244 (このIDを非表示/違反報告)
黒狐(プロフ) - ルイカさん» 感想、そして応援コメントありがとうございます！更新できるように頑張ります！ (2017年1月6日 23時) (レス) id: 337def3edd (このIDを非表示/違反報告)
ルイカ(プロフ) - さらっと演技したり海軍に潜り込んだりする夢主がすごいです。更新頑張ってください！ (2017年1月6日 17時) (レス) id: 4660d06a48 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒狐 | 作成日時：2016年1月10日 10時
