その 30 ページ31
その日から約3ヶ月。
初日はエースに警戒と拒絶されながらきた道を、今日も淡々と何も考えずに登っていく。
道中、いつもと同じようにやられる、けれども着実にについてこれる距離を増やしていくルフィを見ては傍でクスッと笑ってしまう。
そんなことではへこたれない精神の持ち主だってわかるからこそ笑えるのであって、もしルフィがあんな主人公チックな性格じゃなかったら手を……差し伸べたかなぁ。
流石にクマとトラが出てきた時はヒヤヒヤしたけど、わかっていたからなぁ……。
ルフィからさらにイケメン要素が抜けていたら、多分しないだろうな。うん。
そこまで私は完璧に出来ていねぇよ。
そんでもって、いつも通りふらついている男から金を掻っさらう。
3ヶ月もあれば初日の不安など忘れた、慣れたも同然。無事(?)私は賊の一人になってます。
私にだけ備わった特別スキル、”誘惑”とこの肉体。誰にも負ける気しないわ。
でも、あの二人にはなぜか使うなと釘を刺されているから。スキルは2人の目の届かないところだけという制限付き。面倒なことをするよね。
「おー。今日は仕事が遅かったなぁ。エース、A」
木の上で待っていたサボがひょこっと顔を出す。
「ごめんごめん。仕事のキリが中々つかなくて」
「お前らしい理由だなそりゃ」
そしてほのぼのと会話しながら、いつもの木登りルートをひょいひょいと登っていく。
「んじゃ、いきますか！」
「「「せーのっ！！」」
サボの掛け声で今日の成果を見せる。
「んなー！！また負けた！」
「いつも多いが、今日は割と多めじゃないか？……もしや、使ったか？」
「いやいやいや、そんなことない。これが私の実力よ」
すいません。使いました。元20代だから、せずにはいられんかった。
前前前世じゃできなかったやつ。だから快感が凄まじいのよ。誘惑中毒。
「後いくらで海賊船が買えるかな。俺たちなら、そこらのより強い海賊になれるだろうな」
「ああ、なれるさ。俺たちなら」
まず2人が互いに目を合わせ、次に私の方を向いて頷く。
一瞬だけ壁を感じたが、それが勘違いだということを知らせてくれる。
いや、実際に2次元3次元の壁があるが、その壁さえ感じさせない。
「海賊船！？お前達海賊になるのかー！！俺もだぞー！！」
おっと……ここでエアーブレーカー、この物語の主人公様、ルフィの登場。
やっと追いついたのかー！日々観察してきた私はもう涙が出そうでこざいます。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 210人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
【刀剣乱舞】乗っ取る気なんてありません。彼らが勝手に着いてきてくれるんです。 【名探偵コナン】メンクイなのは認めるが、天然タラシでは断じてないっ！ 【ワンピース】どうせ死ぬなら君の元で 3rd【サンジ】もっと見る
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒狐(プロフ) - ふぃるさん» 気に入っていただき何よりです！白ひげ海賊団推しなんですね！そこまでできるだけ早く更新できるように頑張ります！コメントありがとうございます！ (2017年4月10日 0時) (
レス) id: 7667610d64 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃる(プロフ) - 他界他界に思わず吹きましたw これからどんな風にキャラと関わっていくのか楽しみです！（特に私は白ひげ海賊団推しなので楽しみにしてますぐへへ...） (2017年4月9日 23時) (レス) id: aab9086244 (このIDを非表示/違反報告)
黒狐(プロフ) - ルイカさん» 感想、そして応援コメントありがとうございます！更新できるように頑張ります！ (2017年1月6日 23時) (レス) id: 337def3edd (このIDを非表示/違反報告)
ルイカ(プロフ) - さらっと演技したり海軍に潜り込んだりする夢主がすごいです。更新頑張ってください！ (2017年1月6日 17時) (レス) id: 4660d06a48 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒狐 | 作成日時：2016年1月10日 10時
