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「……怖いんだ……」
「うっ、う……ふぇ……？」
「怖いんだよ、俺は」
告げた途端、伊野尾ちゃんの、泣きながら手で目を擦るその動きが止まった。
伊野尾ちゃんに触れるのが怖いと、素直に話す。
その、理由も。
「伊野尾ちゃんに触れたいと心から想ってる。
でも伊野尾ちゃんが、恐怖を感じてしまうかもしれないと思うと、何も出来ないんだ。
拒まれることも、全部怖い……！」
伊野尾ちゃんの瞳から流れ落ちていた涙を、恐る恐る親指で拭い取る。
頬に伸ばしたその右手を、伊野尾ちゃんが左手で包み込むように握ってきた。
その瞳をしっかりと見つめて。
「おれ……やまちゃんが、おれに触らないのは、てっきりおれが、きたないからだと思ってたよ……それが、ずっとずっと怖かった……」
「そんなワケないじゃん。
伊野尾ちゃんは、すごく綺麗だよ。
……伊野尾ちゃんが赦してくれるなら、伊野尾ちゃんが本当に怖くないなら……触れたい……」
「へーきだよ……やまちゃん、だから。
やまちゃんじゃないと、ダメなの……」
「……触れても、いいの……？」
伊野尾ちゃんの瞳がゆらゆら動いて。
そして、静かに閉じられた。
これが、伊野尾ちゃんの答え。
そっと引き寄せる頬に触れた手が震えてるって、包んでくれてる伊野尾ちゃんにも伝わっちゃってるよね。
伊野尾ちゃんも、震えてるし。
「伊野尾ちゃん、愛してる……」
今度こそ直接、愛を囁いて。
自らの目を閉じた。
その唇をゆっくりと重ね合わせると、触れる頬に雫を感じて。
伊野尾ちゃんが泣いてる。
「……こわい？」
涙の理由が聞きたくて、１度離れて。
小さく呟き見れば、伊野尾ちゃんがうつむき加減で、でもふるふると首を横に振ってくれた。
「うれし、くて……」
ほんとは、あの日からずっとずっと、キスしたかった。
そう言って泣きながら微笑む伊野尾ちゃんが、愛しくて堪らない。
もう１度キスをして。
離れて、またキスして。
何度も何度も、角度を変えて。
「ん……ふ、……ん、ん……」
伊野尾ちゃんの柔らかくてふわふわなその唇を舌でなぞると。
びくん、と肩が揺れて、震える唇がほんの少し開いて。
そっと舌を差し込んで、戸惑い逃げ腰の伊野尾ちゃんの舌を絡めとる。
しばらくすれば、その動きに必死に応えてくれていた。
いっぱいいっぱいで、涙も止まってて。
健気で、可愛すぎて。
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りりた(プロフ) - 夏夢さん» 夏夢さん〜！先日はレス遅れて本当にごめんなさい(T0T)夏夢さんのコメントにはいつも励まされてました！ハピエンにできてよかったです(笑)ありがとうございましたヽ(*´▽)ノ♪ (2017年5月17日 13時) (
レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - 完結おめでとうございます！ラストのハピエン、幸せでよかったぁ。胸を撫で下ろしました(>_<)色々あったことも含めて、完走おめでとうございます！さみしさは、読み返して紛らすことにしまーす( *´艸｀) (2017年5月17日 8時) (レス) id: 71f7ba549b (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます！すごく嬉しいです(*^^*)薮さん独白もかなりの時間をかけて書かせていただいたので、こうして感想いただけて私も感無量です。これからも頑張ります(*´ω｀*) (2017年5月11日 1時) (レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - ダメです！！薮さん編ダメです！！涙腺崩壊です（ ; ; ） 誰かを好きになって、その人にも愛してもらって…っていうことの素晴らしさを、温かさを感じました。（要するに最高ってこと。）(笑) (2017年5月10日 20時) (レス) id: 45569d84a1 (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - 全く通知が来てなくて今更のお返事で本当にすみません……！薮ちゃんに嫉妬するなら絶対に勝てない身長かなと思いまして(笑)もうちょっと続けますので、期待せずに宜しくお願いしますm(_ _)m (2017年5月8日 6時) (レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りりた
| 作成日時：2017年3月19日 23時
