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「……見なかったことに、して……」
伊野尾ちゃんの言葉に我に返った。
そんなこと、出来るわけがない。
もう一度、今度は優しく伊野尾ちゃんを振り向かせた。
擦り続けるその手を止めて、出来る限りの優しい声色で、話しかける。
「伊野尾ちゃん……擦ったら、この後撮影大変だよ」
「……あ……」
「おいで」
伊野尾ちゃんの手を取り、つないだまま階段を降りて行く。
伊野尾ちゃんは抵抗しなかった。
涙は、止まっていたけれど、目元が少し赤くなってしまってる。
「ほら、ここ座って？」
自販機の横にはベンチが１つだけあって。
誰も使っていないそこに伊野尾ちゃんを座らせた。
自販機で伊野尾ちゃんの好きなお水を購入して、手渡す。
「あ……」
「いいから、あげる。
飲んでいいよ。
んで、目、とりあえず冷やしとこ。
タオルとかで包んで柔らかくしてあげたいんだけど、今持ってなくて、ごめんね」
「……そんなの、いい。
おれこそ、ごめんね……こんな……」
「いいの！
つか、ペットボトルで冷やすってなかなかだよなぁ。
あー、マジここでタオルとかハンカチ持ってたら王子様だったのに！」
「ぷっ……何それ！」
冗談まじりにそう言えば、伊野尾ちゃんが思わず吹き出して笑ってくれた。
だって今時のトイレにはジェットのやつついてるから！
ハンカチ無くても平気なんだよ！
あー、失敗したなぁ。
次から常備しよ。
伊野尾ちゃんは、これで充分だよ、ありがとって、ペットボトルで冷やしてる。
そこからしばらく無言が続いた。
……泣いていた、理由が聞きたい。
あんなにも綺麗な涙を流していた、その理由が。
ただ、伊野尾ちゃんはさっき見なかったことにして、と言った。
……だから、俺からは聞けない。
「……やまだは、男前だね」
「は……？」
唐突に言われてきゅんとした。
そんないきなり褒めないで欲しい。
「だって絶対、泣いてた理由が気になるはずなのに、聞かないんだもん」
「……正直、聞きたいけどさ。
伊野尾ちゃんが話したいと思ってくれたらでいいよ」
そう言ったら、伊野尾ちゃんが当ててたペットボトルを外して目をぱちぱちした。
それから、泣き笑いの混じった複雑そうな表情。
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りりた(プロフ) - 夏夢さん» わぁいただいまです(笑)ありがとうございます！３人の行方をぜひ見守ってくださいね(*^^*) (2017年3月16日 23時) (
レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - わぁいお帰りなさいっ(２回目)お待ちしてましたー(*^^*)３人がいい感じに絡まってきましたね。りりたさんのペースでいってください。楽しみにしてます(^-^) (2017年3月16日 21時) (レス) id: 71f7ba549b (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - ココロリさん» コメントありがとうございます。すごく嬉しいです！そうですね、少し落ち着いてからまた更新したいなと思います、がんばります(*^^*) (2017年3月4日 19時) (レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)
ココロリ - 急にパクリなんて言われて辛いですよね…このお話し大好きなので更新頑張ってください!応援してます！ (2017年3月4日 18時) (レス) id: e4dc354880 (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - 夏夢さん» 夏夢さん、いつもコメント本当にありがとうございます。そうですか…こんな事態初めてなので、どう対処して良いか分からなくて…混乱して書けなくなった情けない状況です…。ですが、待っていて下さる方がいると分かり、もう少し前向きに整理していこうと思います！ (2017年3月2日 22時) (レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りりた
| 作成日時：2017年2月18日 14時
