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紡がれる、ゆうてぃーの、伊野尾ちゃんに対する想い。
本人は、まだ気付かない。
このまま気付かなければ、もしかしたらくっつかないかもね。
伊野尾ちゃんも、忘れてくれるんじゃないかな。


……そんな、意地の悪いことを考える。


ゆうてぃーの言葉は止まらない。
でも、最後に聞いた言葉で、決めた。


「……あと、さ……。
和解ってことで握手したんだけど、その時に、見た笑顔が……頭から、離れないんだ……」


…………それは、俺が知らないもの。


伊野尾ちゃんの、好きな人に見せる笑顔を俺は知らない。
俺の中の伊野尾ちゃんは、いつも涙を流してるから。


「……それ、もうさ。
ゆうてぃー、好きなんだよ。
伊野尾ちゃんの、こと」


目を見開く、ゆうてぃー。
よく考えてみなよ、って言えば、喋るのも食事の手も止めた。


自覚、した?
ゆうてぃーも、伊野尾ちゃんが好きなんだって。


なんて、バカなんだろ、俺。
言わなきゃよかったのに。


気付かせなきゃよかったのに。




……でも。
気付いてくんなきゃ、さ。
伊野尾ちゃんの、涙は止まらないから。




「ウソ、でしょ。
だって、俺伊野ちゃんのことそんな風に……」
「気付いてなかっただけじゃない?
伊野尾ちゃんの、魅力にさ。
近すぎたから、見えなかったんだよ」


俺と、一緒で。


「……そんな……」


驚愕、の一言につきる、ゆうてぃーの表情。
どうしたらいいのか分からないくらいに、たぶん、戸惑ってるんだ。


「少し、考えて、整理してみたら?
んで、それから伊野尾ちゃんとどうしたいか、考えたらどう?」
「…………うん。そうする。
……ありがと、やま」


そう言って笑うゆうてぃーは、やっぱりカッコいいし、俺よりお似合いなんだろうな。


なぁ、ところでさ。
もう、帰ってもいいかな?
さっきから……胸がさ。
ズキン、ズキンって、痛くて堪らないんだよ。


「……ねぇ、やまは、さ。
伊野ちゃんのこと……」
「え……なに……?」


涙腺が緩みそうなのを堪えるのに必死で、聞き取れなかった。
もう一度聞き返したけど、何でもないと言われてしまった。

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りりた(プロフ) - 夏夢さん» わぁいただいまです(笑)ありがとうございます!3人の行方をぜひ見守ってくださいね(*^^*) (2017年3月16日 23時) (レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - わぁいお帰りなさいっ(2回目)お待ちしてましたー(*^^*)3人がいい感じに絡まってきましたね。りりたさんのペースでいってください。楽しみにしてます(^-^) (2017年3月16日 21時) (レス) id: 71f7ba549b (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - ココロリさん» コメントありがとうございます。すごく嬉しいです!そうですね、少し落ち着いてからまた更新したいなと思います、がんばります(*^^*) (2017年3月4日 19時) (レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)
ココロリ - 急にパクリなんて言われて辛いですよね…このお話し大好きなので更新頑張ってください!応援してます! (2017年3月4日 18時) (レス) id: e4dc354880 (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - 夏夢さん» 夏夢さん、いつもコメント本当にありがとうございます。そうですか…こんな事態初めてなので、どう対処して良いか分からなくて…混乱して書けなくなった情けない状況です…。ですが、待っていて下さる方がいると分かり、もう少し前向きに整理していこうと思います! (2017年3月2日 22時) (レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りりた | 作成日時:2017年2月18日 14時

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