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「それだけ聞けて、すっきりした!
ありがとういのちゃん」
「うん」
「じゃあ僕そろそろ帰るね」
そう言えば、だいぶ時間が経っていた。
おれも帰ろうかなと思ったけど、やまだが、ちょっとだけ話したいって言ったから、残ることになった。
「会計はしとくから」
「さすが僕のお財布♪」
「おい(笑)」
「いのちゃんまたね!
もしたくさん話したくなったら、僕も聞くからいつでも言ってね!」
「ありがとう知念」
知念はいい子だなぁ。
いい子って年じゃないか。
去っていくのを見送ってから、グラスに残るお酒を煽る。
なんか、だいぶ酔いが回ってきちゃったかも。
「伊野尾ちゃん、改めて今日もお疲れ様」
「ありがと、やまだもおつかれ」
「……つらく、なかった?」
言われて、途端に気分が沈む。
正直つらかった。
グループショットで、裕翔からくっつくって時。
裕翔が躊躇ったのが分かった。
偏見はないって言ってたけど、気持ち悪かったのかな、やっぱり。
……そうだよね。
同性から好かれて気分いい人なんていないよね。
「つらかったんだ、やっぱり」
「……わかった……?」
「俺の肩に手置いて来たとき、力入ってたし、伊野尾ちゃんの手、すごい震えてたから」
そう言って、向かい合わせに座る山田が、テーブルに乗っけてたおれの手に触れた。
大丈夫?と言うように、その手を優しく、ぽんぽん、って、されたら。
ああもう、涙腺緩いのかな。
やばい、泣いちゃいそう。
「伊野尾ちゃんがんばったよ。
3ショットの時も、ちゃんと見てたよ。
自分から、目を合わせて喋れるようになったの、すごい進歩だよ」
「ッ、うん……!」
声が震える。
そのまま握ってくれた、やまだの手があったかい。
やまだの優しさが、心に沁みた。
『伊野尾ちゃん、がんばれ』
そう、やまだが言ってくれたから。
だから、おれは頑張れたんだよ。
それに、撮影後すぐ。
楽屋に戻って裕翔ともう一度目を合わせられるか自信がなくて、裕翔が帰ってから楽屋に戻ろうかなって、しばらく廊下にいたら。
やまだが、来てくれたんだ。
伊野尾ちゃん大丈夫?一緒に楽屋戻ろう、って。
歩きながら、ペースがどんなに遅くても一緒に並んでくれて、途中で頭を撫でてくれて。
最後には手を引いてくれた。
戻った時裕翔は既にいなくて、すごくホッとしたんだ。
やまだには、感謝しかない。
全部やまだのおかげなの。
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りりた(プロフ) - 夏夢さん» わぁいただいまです(笑)ありがとうございます!3人の行方をぜひ見守ってくださいね(*^^*) (2017年3月16日 23時) (レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - わぁいお帰りなさいっ(2回目)お待ちしてましたー(*^^*)3人がいい感じに絡まってきましたね。りりたさんのペースでいってください。楽しみにしてます(^-^) (2017年3月16日 21時) (レス) id: 71f7ba549b (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - ココロリさん» コメントありがとうございます。すごく嬉しいです!そうですね、少し落ち着いてからまた更新したいなと思います、がんばります(*^^*) (2017年3月4日 19時) (レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)
ココロリ - 急にパクリなんて言われて辛いですよね…このお話し大好きなので更新頑張ってください!応援してます! (2017年3月4日 18時) (レス) id: e4dc354880 (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - 夏夢さん» 夏夢さん、いつもコメント本当にありがとうございます。そうですか…こんな事態初めてなので、どう対処して良いか分からなくて…混乱して書けなくなった情けない状況です…。ですが、待っていて下さる方がいると分かり、もう少し前向きに整理していこうと思います! (2017年3月2日 22時) (レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りりた | 作成日時:2017年2月18日 14時