検索窓
今日:14 hit、昨日:6 hit、合計:164,569 hit

3:頭から離れない、その声と表情が。 ページ11

「伊野尾ちゃん、今日も空いてる?」
「ほぁ?あ、うん、空いてるよぉ」
「やった!じゃあ飯いこ!」


あれ、今日も行くんだ。
2人の会話を聞いて、そう思った。
最近、山ちゃんと伊野ちゃんの距離が縮まったような気がする。
それは俺だけじゃなくて、メンバー全員が感じていることで。


「えー、今日も2人でご飯いくのぉ?
僕も行きたーい」
「それはまた今度で。
伊野尾ちゃんとサシ飲みしたいから今日はだーめ」
「けち!」
「やまだ、せっかくだから知念も一緒に行こうよ」
「えー」
「わーい!いのちゃんありがとう!」
「せっかく伊野尾ちゃんとデートだと思ったのにー」
「僕のいのちゃんだもーん!
涼介独り占めはよくないよ」
「ふぇ?え、どゆこと?」
「「あははははは!」」


年上の伊野ちゃんが年下2人にからかわれてる……。
伊野ちゃんは顔にたくさん、はてなマークつけてる。
微笑ましい光景、俺も入りたい。


でも、入れない。
どうしていいか分からない。
伊野ちゃんに想いを告げられてからというもの、どう接していいのか分からなくなってしまった。
もう、1ヶ月も経とうとしてるというのに。


『メンバーとして普通に接して欲しい』
『今日のことは忘れてね』


そうは言われたものの。
忘れられるわけがなかった。


人に告白されたのは初めてじゃない。
男性からは初めてではあるけど。
その時の伊野ちゃんの、恥ずかしかったんだろう、真っ赤になった顔。
それは同性と言えど可愛らしい印象は受けたし、潤んだ瞳で上目遣いで見られた時には、クるものも確かにあった。
伊野ちゃん自身が危惧していたような嫌悪感、気持ち悪さは本当に皆無だった。
何より、その瞳から本気であると伝わってきた。


本気の告白というものは、受けていてやはりドキドキするものだ。
でも、男同士、メンバー同士であるわけで。
それは、あってはいけないことなんじゃないかという考えもよぎっていた。
伊野ちゃんはかなり前から俺を想ってくれていたみたいだけど、俺は本当に伊野ちゃんを恋愛の対象として見たことがなくて。


だから、断った。
その後の、泣き出す1歩手前のような表情にはかなりの罪悪感を覚えたものだ。

*→←*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (202 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
360人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

りりた(プロフ) - 夏夢さん» わぁいただいまです(笑)ありがとうございます!3人の行方をぜひ見守ってくださいね(*^^*) (2017年3月16日 23時) (レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - わぁいお帰りなさいっ(2回目)お待ちしてましたー(*^^*)3人がいい感じに絡まってきましたね。りりたさんのペースでいってください。楽しみにしてます(^-^) (2017年3月16日 21時) (レス) id: 71f7ba549b (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - ココロリさん» コメントありがとうございます。すごく嬉しいです!そうですね、少し落ち着いてからまた更新したいなと思います、がんばります(*^^*) (2017年3月4日 19時) (レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)
ココロリ - 急にパクリなんて言われて辛いですよね…このお話し大好きなので更新頑張ってください!応援してます! (2017年3月4日 18時) (レス) id: e4dc354880 (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - 夏夢さん» 夏夢さん、いつもコメント本当にありがとうございます。そうですか…こんな事態初めてなので、どう対処して良いか分からなくて…混乱して書けなくなった情けない状況です…。ですが、待っていて下さる方がいると分かり、もう少し前向きに整理していこうと思います! (2017年3月2日 22時) (レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:りりた | 作成日時:2017年2月18日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。