St.Valentine 2017(jump×in) (ページ10)

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高木の答えに照れながら、そんな実感をした。
すごく嬉しくて、笑っちゃうのが止まんない。
そしたら高木が真顔になって。
早く帰ろ、と一言。

「え、ちょ、怒った？」

やば、からかいすぎた？
どうしよ、謝った方がいい？
すごい焦ってたら、違うよ、と高木が言って。
急に腕を掴まれ引き寄せられて、耳元で囁かれた。

「早く帰って、伊野尾くんと大人の時間過ごしたいだけ」
「～～～ッ！！」

バッ、と耳を手で押さえた。
顔、絶対真っ赤。
何てこと言うの、ほんともうバカじゃねぇの……！！
俺はもう何にも言えなくなっちゃって、無言のままさっさと買い物をする高木についていくしかなかった。

スーパーを出て、車に乗ってからもずっと、何を喋っていいか分からず俯いてた。
だって恥ずかしくて。
どうしよ、とチラッと運転席の高木を見たら、なんか窓見てた。
てか、よく見たら窓に高木の表情が映ってるんだけど。
何かニヤニヤしてるんですけど！

思わずパンチした。
横っ腹のとこ。
もうほんと、子供だったり大人だったりの高木に俺振り回されてるじゃん。

そういえば、トリュフって子供向けのもあるよね。

高木にぴったりだったなぁ。

さっきは食べたいな、とか思ったけど。

これからたぶん、食べられちゃうんだろうな、おれ。

思わずそんなことを考えちゃって。
おれはまた、俯くことしか出来なくなった。

END.