チョコケーキ(tkin.TKside) ページ7
※『トリュフ』の高木視点です。
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「伊野尾くん」
「んー?なぁに、たかき」
「帰る前にさ、買い物してもいい?」
「ん、おっけー!」
仕事が終わったら、一緒に俺の家に帰る約束をしていた。
今日はバレンタインデーだから、所謂お家デートってやつ。
その前に、晩飯買って帰ろうと思って言えば、軽くおっけー、という返事。
「伊野尾くん何が食べたい?」
「えー?お米が美味しかったら何でもいいけどなぁ」
スーパーに着いて、食べたいものを聞いたらいつもと同じ返事。
安定だなぁ、と笑えば、伊野尾くんもえへへへ、と可愛い笑顔を見せてくれた。
ああもう、早く帰ってイチャイチャしたいなぁ。
でも腹は減っては何も出来ない、夜も遅いし人も少ないから2人でゆっくり食材を見て回る。
「あ!ねぇねぇたかき、チョコレートコーナーあるよ」
「そりゃあるでしょ、今日だもん」
「えへへへそうだよね」
じ、とそのコーナーを見てる伊野尾くん。
チョコレートが欲しいのだろうか。
バレンタインといえば恋人の行事だしね。
でも俺が甘いもの苦手って知ってる伊野尾くんは、2人でくっつけたらそれでいいな、なんて可愛いことを言うもんだから。
俺もそっちの方がいいなと思ったけど。
ほんとは、やってみたいのかな。
確かに恋人にチョコをあげるのが定番だもんね。
欲しがるべきだったんだろうか。
「……伊野尾くん、チョコ買いたい?」
「ふぇ?あ、んー、そうじゃなくて、たかきはトリュフかなぁって思ったの」
「は?」
トリュフ?
何、三大珍味?
「ちがくて、チョコの方(笑)
お酒とか入ってるのとかあって、なんか大人の味?みたいな。
たかきっぽいでしょ?」
「あ、そういうことね」
「そうそう、おれは全然大人の感じじゃないしね」
そんなこと考えてたのか。
んー、伊野尾くんは、なんだろうな。
「あー、じゃあ、伊野尾くんはチョコケーキで」
「ケーキ?」
「うん、ほら、男の人も好きな人多いじゃん。
伊野尾くん最近男の芸人さんからも人気だから」
ちょっと拗ねたようにいえば、ニヤリと笑う伊野尾くん。
ちょこちょこ近づいてきて、ねぇねぇ、それって妬いてる?なんて言うから。
「ちょっとね」
「そうなんだぁ、ふふふ」
「何よ」
「ん?嬉しいじゃん。
おれ、たかきに愛されてるね」
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作者名:りりた | 作成日時:2017年2月14日 4時