チョコバナナ(ytin.INside) ページ31
※『ウエハースチョコ』の伊野尾視点です。
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「伊野ちゃん」
「…………」
「おいで」
「……ん……」
最近とても忙しい。
1日中働きづめで、毎日にあまり余裕がない。
もう、限界に近くて。
ノックもしないで7の楽屋に入った。
BESTにも何も言わないで来たけど、たぶん、俺が来たから察していなくなってくれた3人が伝えていると思う。
ごめんね、押しかけちゃって。
でも、今だけだから。
2人になり、名前を呼んてくれた裕翔に近寄っていく。
立ったまま手を広げて待ってる裕翔の胸に、ぼすん、って飛び込んだ。
ああ、裕翔だ。
裕翔だなぁ……。
時々、こんな風に甘えたくなってしまうのは。
たぶん、裕翔に触れたくて仕方なくなるからなんだよね。
普段は年上だし、こんなの引かれちゃうんじゃないかなって思うと、全然できなくて。
でも、何かの拍子に突然、裕翔のぬくもりを感じたくてたまらなくなる時があって。
「ゆーと……」
「ん?」
「もっと、ぎゅーって……」
「うん、いいよ」
裕翔は俺より身長高くなっちゃったから、抱きしめてもらうとなんだか包み込まれたようで。
こんなにスラッとして、男前になるなんて、それで好きになっちゃうなんて思いもしなかった。
まるでチョコバナナみたいな裕翔。
スラッとしてる見た目のことだけじゃない。
外ではツンツンしたことも言うけど、実は俺にすごく甘いとこも。
だから好きになっちゃったんだから。
「しばらく2人で会えてないもんね。
収録始まるまで、こうしてよ?」
「うん……」
「……伊野ちゃん、愛してるよ」
「……おれも、裕翔あいしてる……」
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作者名:りりた | 作成日時:2017年2月14日 4時