St.Valentine 2017(jump×in) (ページ11)

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チョココロネ(arin.ARside) ページ11

※『麦チョコ』の有岡視点です。

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「ほらみてみて！」
「えー！何これ麦チョコ！？
買ってきたの？」

伊野ちゃんが見せてきたのは、ぱんぱんに袋につまった麦チョコ。
久しく食べてないから、なんだか懐かしい。

「ロケで駄菓子屋行ったら置いててさぁ、思わず買っちゃった！」
「へぇー！
なんで？好きなの？？」
「えー？んふふふ」

何その笑い。
なんか隠してるな！
含んだような笑いに、麦チョコをとりあえず机において、何だよ教えろ！って伊野ちゃんにじゃれついた。

「あははははっ！」
「教えなきゃずーっとくすぐってるからな！！」
「えへへっ、わか、分かったから！！
あは、やばいっ！！」

ソファに座ったまんま、隣の伊野ちゃんに覆い被さるようにくすぐってやった。
すぐ降参した伊野ちゃん。
やめてあげて、はー、やばい、ってちょっと涙目なのを指で拭ってる。
ちょっと色っぽくてドキッとした。
これだから俺の恋人は心臓に悪いのよ。
無自覚にこうなんだもん。
話を戻さなきゃ、ともう一度問い詰めたら、伊野ちゃんが堪忍したみたい。

「で？なんで麦チョコなの？」
「ふふ、えっとね、小さくて可愛いから！」

あ、イヤな予感。

「大ちゃん思い出した！」
「このやろう！」

ぺし、とおでこを叩いたら、大笑いしたまんまそのおでこを手で触ってる。
肩も震えちゃう伊野ちゃんの笑顔が大好きなんだけど、ちょっと傷ついたぞ！

「小さいって言うのやめろよー」
「ほんとのことじゃん」
「そうだけど！
一応彼氏的な立場の俺のが背ぇ低いって、ちょっと気にしてるの！」
「そうなの？」
「そうなの！」
「ふーん」

ふーん、って。
どうでもいいみたいに思ってんだろ。
いいよいいよ、どうせ俺はチビだよ。