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6.届いたのかな。 ページ24

伊野尾ちゃんが寝てくれたのを確認して、俺もソファーに寝かせてもらった、次の日の朝。
かなり早く目が覚めてしまったけど、今のうちにしてあげたいなと思うことがあって。
シャワーを借りて、サッパリスッキリさせてから、昨日も立ったキッチンへと向かった。


お米のストックはどこだろう。
見つけて研いで、炊飯器のスイッチ入れて。
2人だし、少しでいいかな……。
おかずはどうしよう……。


炊けるまでの間、俺は静かに伊野尾ちゃんの部屋を出た。
鍵は伊野尾ちゃんのカバンに入れっぱなしだったからね。
外へ出て向かったのは、すぐ近くのコンビニ。
今卵とか生野菜とか売ってるとこあるから便利だよね。
必要であろう食材をとりあえず購入する。


だって、伊野尾ちゃん家の冷蔵庫にはほとんど何にも入ってなかったから。
昨日のホットミルクだって、牛乳の期限ギリギリで、結構加熱したんだ。


帰ってから冷蔵庫に食材を詰め込んで、先に洗濯をする。
これも、全然出来てなかったみたいだし。


「……伊野尾ちゃん、どんだけ追いつめられてたの……」


思わず呟きながら作業を続ける。
洗濯機のスイッチを入れたら、朝食作りに戻った。
作り終えたら伊野尾ちゃんを起こすのにはいい時間だと思う。
卵焼いて、お味噌汁作って、伊野尾ちゃんの好きな和食だよ。
食べてくれるだろうか……。


「……ぁ……ぃやぁ……!!」
「……伊野尾ちゃん……?」


ふと、寝室から声がした。
悲鳴に近いような。
伊野尾ちゃん。
伊野尾ちゃんが、苦しんでる。


「伊野尾ちゃん!」
「やめて、やめてぇえ……!!!」


慌てて寝室に向かえば、伊野尾ちゃんは魘されていた。
ひどく怯えた声。
昨日と同じだ。
だから、眠る伊野尾ちゃんを抱き起こして、大丈夫だよ、と言い聞かせる。
背中を撫でて、耳元で出来るだけ優しく。


「伊野尾ちゃん、俺だよ。
大丈夫、大丈夫だよ……。
怖くないよ。
傍にいるからね伊野尾ちゃん」
「はッ、あ、ぁ……やま、だッ……」


目が覚めて、俺を理解したのか伊野尾ちゃんがだんだんと落ち着いてくる。
涙で顔をぐちゃぐちゃにして、肩で息をしてる伊野尾ちゃん。
トラウマなんだろうな。
俺の肩に顔を埋めて、やまだ、ごめんね、って謝りながらもすがりついてくる伊野尾ちゃん。
華奢で、小さくなってしまった体。
下手したら俺より軽いんじゃないの?
細すぎて少し力を入れたら折れちゃいそうだ。

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りりた(プロフ) - ☆しんちあけい☆さん» コメントありがとうございます!とても嬉しいです(о´∀`о)もう一度だなんてすごく光栄です!完結しましたが番外編を短いですが書こうかなと考えてますので、また覗いてやってください! (2017年3月2日 21時) (レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)
☆しんちあけい☆(プロフ) - …一気に全部読みました。すごく面白かったです!自担が危ない目に遭っちゃう系大好物なんで笑…ちょっと、もっかい読み直してきます笑 (2017年3月2日 21時) (レス) id: e93827b7b3 (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - JUMP大好きな白米と猫さん» コメントありがとうございます!山ちゃんは傷ついた伊野尾ちゃんにはとことん優しくを目指してます(笑)亀更新ですがこれからも楽しんで頂けたら幸いです(*^^*) (2017年1月9日 5時) (レス) id: e887fbde8e (このIDを非表示/違反報告)
JUMP大好きな白米と猫(プロフ) - 山ちゃんマジ優しい!!感動…!(´;ω;`)伊野ちゃんを助けてあげて! 続き待ってます(*'▽') (2017年1月9日 0時) (レス) id: f122806c5b (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - ほのさん» コメントありがとうございます!はい、頑張ります(*^^*) (2017年1月3日 13時) (レス) id: e887fbde8e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りりた | 作成日時:2016年12月6日 22時

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