＊ ページ28
「……それで？
やーっとくっついた、ってことでいいわけね？」
「あ、はい……」
「お騒がせしました……」
３人の時によく使う居酒屋の個室。
おれの横には知念、っていうのがお決まりだったけど、今おれの横にはやまだがいて。
向かいの知念が腕を組んでこちらをじーっと見ている。
当然のごとくおれとやまだは正座をしている。
や、だって知念には多大なるご迷惑をお掛けした次第でありまして……。
「ホントにもう、いのちゃんは大泣きだったし涼介はおバカさんだし、大変だったんだからね！！」
知念の怒りに、おれたちはただ謝罪をするのみだ。
でもやまだの方は、おバカさんって何だよ、って小さく抵抗していて。
聴こえたらしい知念の怒りはヒートアップ。
「おバカさんもおバカさんだからね！？
いのちゃんには申し訳ないんだけど、涼介がどうしても煮え切らないから先に理由聞いてたの！
そしたら種族がどうの未来がどうのって、いのちゃんが吸血鬼になることを望むわけないとか、グダグダ言ってさー！！」
ぐい、っとグラスを傾け、タンッ、と音を鳴らして置く。
……怖い。
「そ、そんなに単純じゃないんだよっ！」
「……まぁ、それは分かるけど。
僕からしたら、両想い同士なんだから、まだ来ない未来を怖れて離れるより、今傍にいられる幸せを考えた方がいいじゃんって感じだもん」
「うっ……」
「涼介だって、今を大切にすることにしたんでしょ？」
知念が、先程から何も言えないでいるおれを見た。
おれは、ただ苦笑いを浮かべて。
目の前の飲み物を飲んでから、やまだをちら見した。
「……おれは、変わっても良かったんだけど……」
「ダメだよ……少なくとも、今はまだ」
やまだが言い切った。
あの時、おれはやまだの血を飲んだ。
でも、吸血鬼にならなかった。
やっぱしダメだ、ってやまだが言ったから。
だからおれはまだ人間。
「変わっちゃったら、伊野尾ちゃんの成長はそこで止まってしまう。
俺の成長はまだ止まってないし、だったらまだまだ一緒の刻を歩んでいきたいと思ったんだよ」
直前までは本気でおれを変えてくれようとしてたみたいなんだけど。
こうした理由で、やまだの方が望まなかったから、血を飲んでも変われなかった。
「ふーん。
いのちゃんが吸血鬼になったら僕の血はいのちゃんにだけ、あげようと思ってたのに……」
「えっ、俺は！？」
「涼介はジュースでいいでしょ」
「ちょっ、ヒドイ！！」
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りりた(プロフ) - ひぃψ(｀∇´)ψさん» ありがとうございます！完結状態でしたのでまだお読み頂ける方がいらっしゃってすごくうれしかったです！コメントも頂けて、また本能シリーズ、機会があれば書きたいなと原動力になりました(笑)本当にありがとうございました！ (2017年11月2日 18時) (
レス) id: 068b0a2ee5 (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - 夏夢さん» ありがとうございます〜！自前猫耳だった音楽番組の日を混ぜてみましたが、汲み取って頂けて嬉しいです(笑)誘い受けは書くのが難しいなと勉強になりました…。また、本能シリーズ書けたらなと思いますwありがとうございました！ (2017年11月2日 18時) (レス) id: 068b0a2ee5 (このIDを非表示/違反報告)
ひぃψ(｀∇´)ψ(プロフ) - 本能シリーズ本当大好きです！更新通知見て嬉しくてコメしました。いやーいい！ありがとうございました(o^^o) (2017年11月1日 7時) (レス) id: 510a5838d9 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - お久しぶりですー！またこの二人に会えるとは！しかもあんなせくしーな吸血鬼とか！山田うらやま！想像だけで震える(危)いのちゃんが君のものだなんて！…あの自前猫耳の破壊力凄かったですよね(￣▽￣;)ビバハロゥイン♪ (2017年11月1日 6時) (レス) id: 71f7ba549b (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - 夏夢さん» 夏夢さんお久しぶりです〜！コメントありがとうございます！そーだそーだ、楽しんじゃえー(￣∇￣)えへへへ、コメントほんと嬉しいのでどんどん絡んでください(笑)ほんとにありがとうございましたー(*^ω^*) (2017年7月10日 23時) (レス) id: 068b0a2ee5 (このIDを非表示/違反報告)
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