＊ ページ32
「緊張した？」
「とーぜんでしょ！
しない方がおかしいよあんなの！」
「あはははは、そっかそっか」
「はぁーもう、なんかさぁ、やっぱね、ずっと緊張してるからさぁ、皆の顔見て、すーげぇホッとした」
「あー、まぁそうだよねぇ」
「……特に伊野尾ちゃんね」
「っ、う、うん」
本物の吸血鬼、子供っぽいだけじゃなかった。
忘れてた。
ふと見せる、大人びた顔。
途端にドキドキさせられるの、ホント、ずるい。
「ね、伊野尾ちゃん」
「な、なに？」
「緊張が解けて、お腹すいちゃったな……」
ちょーだい？って、耳元で囁かれた。
いつもと全然違う、この低い声。
背中をゾクゾクした何かが昇ってきて、奥の方から熱くなりそうなのを、必死に振り払う。
「っちょ、ば、バカじゃねーの、ダメに決まってんじゃん！」
「なんで？」
「これから踊るんだよ！？
体力もたないもん！」
「何のために鍛えてんのよ」
「少なくともやまだに好き勝手されても大丈夫な体力つけたいわけじゃねーよ！」
「あ、口悪い伊野尾ちゃん出た」
「悪くもなるし！」
「えー……」
ねぇ、ホントにダメ？
って、じりじりと距離を詰めてくるやまだ。
うぅ……も、どうしよう。
陥落してしまいそう。
目の前で自分の唇を舌で濡らして、射貫くように見つめられて。
「もう、我慢出来ないかも。
伊野尾ちゃん、可愛い髪型してるしさ？」
「や、ぅ……」
「すげぇ唆る。
血だけじゃなくて、全部欲しくなってきちゃうよ」
「っ、ぁ……やま、」
「伊野尾ちゃん……ねぇ、ダメ……？」
やまだの口が、軽く開いた。
その隙間から覗く、さっきまでは無かった鋭い牙。
ウソでしょ、本気なの？ってぐるぐる混乱していると、突然、ベシッ！という音が聞こえた。
その衝撃に、やまだが後頭部を抑えながらバッと体を離した。
「痛ぇッ！？」
「何遊んでんの、涼介！
いのちゃん困ってるでしょ！」
「ち、ちねん……！」
助かった。
ホントに本気で助かった。
やまだを後ろから叩いてくれたのは知念だった。
おれとやまだのことを知ってる唯一のメンバー。
他のメンバーは知らないから、何遊んでんだアイツら珍しい、程度にしか思ってなかったみたいだけど。
これが普段から距離感の近いグループのいい所だよね、あんまりくっついててもバレない、っていう。
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りりた(プロフ) - ひぃψ(｀∇´)ψさん» ありがとうございます！完結状態でしたのでまだお読み頂ける方がいらっしゃってすごくうれしかったです！コメントも頂けて、また本能シリーズ、機会があれば書きたいなと原動力になりました(笑)本当にありがとうございました！ (2017年11月2日 18時) (
レス) id: 068b0a2ee5 (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - 夏夢さん» ありがとうございます〜！自前猫耳だった音楽番組の日を混ぜてみましたが、汲み取って頂けて嬉しいです(笑)誘い受けは書くのが難しいなと勉強になりました…。また、本能シリーズ書けたらなと思いますwありがとうございました！ (2017年11月2日 18時) (レス) id: 068b0a2ee5 (このIDを非表示/違反報告)
ひぃψ(｀∇´)ψ(プロフ) - 本能シリーズ本当大好きです！更新通知見て嬉しくてコメしました。いやーいい！ありがとうございました(o^^o) (2017年11月1日 7時) (レス) id: 510a5838d9 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - お久しぶりですー！またこの二人に会えるとは！しかもあんなせくしーな吸血鬼とか！山田うらやま！想像だけで震える(危)いのちゃんが君のものだなんて！…あの自前猫耳の破壊力凄かったですよね(￣▽￣;)ビバハロゥイン♪ (2017年11月1日 6時) (レス) id: 71f7ba549b (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - 夏夢さん» 夏夢さんお久しぶりです〜！コメントありがとうございます！そーだそーだ、楽しんじゃえー(￣∇￣)えへへへ、コメントほんと嬉しいのでどんどん絡んでください(笑)ほんとにありがとうございましたー(*^ω^*) (2017年7月10日 23時) (レス) id: 068b0a2ee5 (このIDを非表示/違反報告)
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