#04 相違 ページ22
「うーん……うーん……」
「どしたの山ちゃん、悩んでるの？」
７の楽屋のソファの１つを陣取り、唸りながらスマホと睨み合う俺に、圭人が声を掛けてきた。
圭人の言葉は正解。
俺は悩んでいた。
「いやさ？
来週地方で泊まりの撮影あんだよね……」
「うん」
「それで悩んでる」
「……ん？どゆこと？」
「飯をどうするかって思って」
「え？普通にホテルとかで出るでしょ？」
「いや俺のじゃなくて伊野……っあ、」
言いかけて、慌てて口を噤む。
危うく伊野尾ちゃんの名前を出してしまうところだった。
いくらメンバー相手、それこそ親友と言ってもいいぐらいの存在である圭人が相手でも、これは言えない。
言えば理由を聞かれ、説明せざるを得なくなる可能性が高い。
だがこれは伊野尾ちゃんの秘密なのだ。
唯一俺だけが知る、伊野尾ちゃんの秘密。
軽々しく、しかも本人の許可無く伝えていいものではない。
「山ちゃん？」
「えーと……まああれだ、うん、ほら、自己管理のために？
あのー、ホテルに出るメニューだけじゃバランスがさ、ほら、な？
だから自炊もしてみるかなーって、レシピ見てた」
「あ〜なるほど！」
うん、圭人が単純でよかったわ。
これが知念とかだったら絶対誤魔化されてくれな、
「涼介〜？」
「うぇっ！？」
ちょっと来い。
と言わんばかりの笑顔で、人差し指をくいくいっとされました。
知念さんに。
うわあああマジかよ。
「や、えーと……俺今圭人と話して、」
「ごめん圭人、僕ちょっと涼介と話したいことあるんだぁ」
「ん、OK！
俺飲み物でも買ってこようかな。
ちぃちゃんと山ちゃんもいる？」
「ありがと！
何でもいいよー！
お金は涼介が返すから」
「はっ！？」
「あはは！じゃあ行ってくるね！」
無情にも圭人が楽屋を出ていく。
ちなみにゆうてぃーは既にBESTの楽屋に遊びに行ってしまっている。
つまり、ここにいるのは俺と知念だけ……。
「はい、どうぞ」
「どっ、どうぞって何……」
「涼介が隠していること、全部話して、どうぞ」
「なっ、何も隠してないよ！？」
いい笑顔でそんな風に言われ、思わず声が裏返った。
知念には何でもお見通しなのか、本気で怖すぎる。
「僕、黙ってたけどもう我慢の限界だからね？
こそこそしすぎ。
何してんの？
い、の、ちゃ、ん、と！」
「いいいい伊野尾ちゃん！？
何で伊野尾ちゃんが出てくんの！？」
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りりた(プロフ) - shootingstarhapさん» ずっと応援していただきありがとうございました。コメントがとても励みになっておりました。長いこと更新を停めてしまうこともあったにもかかわらず、本当に嬉しかったです。少しでも、楽しんで頂けたなら幸いです。本当にありがとうございました！ (2020年6月16日 18時) (
レス) id: bd2ed28c98 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 更新心待ちにしていました…！嬉しいです！今回もボロボロに泣いてしまいました…伊野尾さん、食べれて良かったです…。本当に良かったです。素敵なお話しありがとうございます！ (2020年6月16日 18時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 更新楽しみに待っていました！皆の所に元気に戻ってきてくれて本当嬉しいです！りりたさんのお話しまた楽しみに待っています！ (2019年11月11日 16時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - やっと思いが通じ合って嬉しいです。大好きな作品です。切なくてもどかしくてどうなるのかと思ってましたけど嬉しい展開でまた好きになりました。いつもありがとうございます。 (2019年6月30日 23時) (レス) id: 1d86e2ca18 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - りりたさんの更新待ってました！お忙しい中ありがとうございます！(^-^)本当良かったって最新のお話し見て物語に入り込みすぎてて泣いてしまいました…。りりたさんのお話しは本当素敵でよく泣いてしまいます。またお話し楽しみに待っています(^-^) (2019年6月30日 16時) (レス) id: 841a63da71 (このIDを非表示/違反報告)
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