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その、翌日。
仕事から帰ってくるなり、やまだがエプロンをくれた。
シンプルな黒いやつ。
雑貨屋さんに寄って買ってくれたみたい。
後ろでちょうちょ結びすることなんかなかなか無いから苦戦してたら、やまだが結んでくれた。
やまだの家の、普通より広いシステムキッチン。
使いやすいように色んなものが整理されて置いてある。
うちのキッチンこんなに物無いな。
今は、テキパキと準備するやまだを、とりあえず見てる。
包丁とかまな板とか肉じゃがのための具材とか。
一通り準備出来たのか、やまだが腰に手を当てて、準備はいいですかっ！と聞いてきた。
それに対して、はいっ！ってふざけて敬礼して返す。
「よし、作ろう！」
「はいっ！」
「まずお肉を切ります！」
「はいっ！」
「……いや返事だけじゃなくて切ってよ」
「えへへへへ」
怒られた。
買ってきた牛肉を一口大に切る……口に入ったらどのくらいでもよくないかな……。
「あ、大きさ同じぐらいじゃないと火の通りが均等にならなくなっちゃうからね？」
「ふぇ？」
「……めっちゃテキトーに切るつもりだった？」
「……んふふふふ」
「笑って誤魔化してもだーめ！
ほらがんばって伊野尾ちゃん！」
「はーい！やまだせんせー」
先生ってなんだよ、って笑うやまだ。
料理の先生のつもりで、なんて話しながら、工程を進めていく。
おれが自力で全部切ったのもあるけど、玉ねぎを切った時は目がシパシパして、バトンタッチ！なんて言ってやまだにやって貰ったりして。
やまだはなんか目にしみないコツを知ってるのか、スマートに切ってた。
すごいなぁ、料理出来る人だ。
切り終わった具材は、まず炒めるといいんだって。
初っ端から煮るんじゃないんだ、って初めて知った。
「炒め終わったらだし汁を注ぐんだけど……」
「だし汁？」
「うん、えっとね……じゃーん！」
言いながらやまだが取り出したのは、透明なだし汁で。
普通のだし汁じゃないの？と聞けば、やまだがニヤリと笑った。
「これはね、山田特製なんです」
「特製？」
「普通のだし汁とはちょーっと違うんだなぁコレが」
「そうなの？」
「いやもう和食はね、だしが全てですから！
山田のこだわりが詰め込まれているわけですよ」
「あー、なるほどね！
これがもうあれだ、やまだの肉じゃがの味ってことだ」
「辿り着くまでに苦労したよ……」
遠い目をしておられる。
試行錯誤したんだね、たぶん、このだし汁作るのに……。
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りりた(プロフ) - shootingstarhapさん» ずっと応援していただきありがとうございました。コメントがとても励みになっておりました。長いこと更新を停めてしまうこともあったにもかかわらず、本当に嬉しかったです。少しでも、楽しんで頂けたなら幸いです。本当にありがとうございました！ (2020年6月16日 18時) (
レス) id: bd2ed28c98 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 更新心待ちにしていました…！嬉しいです！今回もボロボロに泣いてしまいました…伊野尾さん、食べれて良かったです…。本当に良かったです。素敵なお話しありがとうございます！ (2020年6月16日 18時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 更新楽しみに待っていました！皆の所に元気に戻ってきてくれて本当嬉しいです！りりたさんのお話しまた楽しみに待っています！ (2019年11月11日 16時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - やっと思いが通じ合って嬉しいです。大好きな作品です。切なくてもどかしくてどうなるのかと思ってましたけど嬉しい展開でまた好きになりました。いつもありがとうございます。 (2019年6月30日 23時) (レス) id: 1d86e2ca18 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - りりたさんの更新待ってました！お忙しい中ありがとうございます！(^-^)本当良かったって最新のお話し見て物語に入り込みすぎてて泣いてしまいました…。りりたさんのお話しは本当素敵でよく泣いてしまいます。またお話し楽しみに待っています(^-^) (2019年6月30日 16時) (レス) id: 841a63da71 (このIDを非表示/違反報告)
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