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『おはようございまぁーす』
当時は少なめだった、伊野尾ちゃん１人での仕事。
少し楽しみに思いながら、伊野尾ちゃんはメイク室へと入った。
そこには、初めて見る女性。
メイク台のそばでゴソゴソしていて、でもちらりと首から下がっているタグのようなものが見えて。
ちゃんと確認しなくても、そんなのテレビ局の許可証に決まってると、信じて疑わなかったらしい。
『ほぇ？
いつものメイクさん代わったんすか？』
『……いえ、私は新人で……』
『あ、そうなんだ』
俯き加減のその人の言葉を、伊野尾ちゃんは疑わなかった。
『初めまして伊野尾です、お願いしまーす』
『…………はじ、めて……、ぃ……』
『ん？？』
『いえ……あの、差し入れどうぞ』
その女性の最初の呟きは全然聞こえなかった。
けれど、そのあとの差し入れ、というワードに、食べるのが大好きな伊野尾ちゃんは反応してしまって。
『わーい！お菓子ですか？』
『はい……』
『あ、美味そう！いただきまーす！』
差し出されたお菓子を、食べて。
すぐに、動きが止まった。
へんな、あじ、する。
思った時には、遅かった。
『っ、……な、に、コレ……？』
『……私が作ったの』
『は……っ、お、前、……？』
『……私、ずっと、見てたのよ……』
女性の様子が明らかにおかしい。
それ以上に、入り込んだ異物が、苦くて、舌が、喉が、胃が、痛くて。
『ゲホッ、っ、は、ぐ、ぇ、うぇっ……！』
視界が霞む。
ぐらつきその場に倒れ込む。
四つん這いがやっとの状態。
胃の内容物がせり上がってきて、その場にぶちまけた。
『伊野尾くん、大丈夫、私が助けてあげる』
『ッ、触るな……！！！』
伸ばしてきた女の手を思い切り弾き飛ばした。
そのことに酷く傷付いた表情を浮かべる女。
弾かれた手を押さえながら、伊野尾ちゃんに詰め寄った。
『……なんで……？
大丈夫、死なないように調節したの。
私が助けてあげる。
そしたらほら、私を見てくれるでしょ？
命の恩人なんだよ？
ねぇ、伊野尾く……』
『何ッ、ぐ、ぅえ、なに、っい、れ、』
その時点で伊野尾ちゃんは、女が何かをお菓子に盛ったことを悟った。
命を奪う迄はいかない、でも、その類の何かを、入れた。
何のために、そんな。
朦朧とする意識の中で、伊野尾ちゃんは尋ねた。
すると、女は答えた。
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りりた(プロフ) - shootingstarhapさん» ずっと応援していただきありがとうございました。コメントがとても励みになっておりました。長いこと更新を停めてしまうこともあったにもかかわらず、本当に嬉しかったです。少しでも、楽しんで頂けたなら幸いです。本当にありがとうございました！ (2020年6月16日 18時) (
レス) id: bd2ed28c98 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 更新心待ちにしていました…！嬉しいです！今回もボロボロに泣いてしまいました…伊野尾さん、食べれて良かったです…。本当に良かったです。素敵なお話しありがとうございます！ (2020年6月16日 18時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 更新楽しみに待っていました！皆の所に元気に戻ってきてくれて本当嬉しいです！りりたさんのお話しまた楽しみに待っています！ (2019年11月11日 16時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - やっと思いが通じ合って嬉しいです。大好きな作品です。切なくてもどかしくてどうなるのかと思ってましたけど嬉しい展開でまた好きになりました。いつもありがとうございます。 (2019年6月30日 23時) (レス) id: 1d86e2ca18 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - りりたさんの更新待ってました！お忙しい中ありがとうございます！(^-^)本当良かったって最新のお話し見て物語に入り込みすぎてて泣いてしまいました…。りりたさんのお話しは本当素敵でよく泣いてしまいます。またお話し楽しみに待っています(^-^) (2019年6月30日 16時) (レス) id: 841a63da71 (このIDを非表示/違反報告)
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