ただ、君だけ。〈IF〉(ymin)

IF02：バイバイ。(cn→ym) ページ6

☆悠様リクエスト
知念くんが、実は山田くんの事が好きだったと伊野尾くんに言うお話
です。

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僕と涼介は、自他共に認めるほど仲が良い。
一緒にいて気楽だし、お互いのこと何でも分かってるって。
知らないことなんかないって。


でも、いのちゃんが大変な思いをした、今回の出来事は、僕に涼介の初めての表情を見せた。


いのちゃんがいなくなって、涼介と２人、テレビ局中を探し回ったね。
その時の涼介の様子、激怒したあまり、犯人を直接蹴り飛ばしてしまうほどだった。


そっからかな。
あれ？って思ったの。
それで、その後からずっと、いのちゃんに付きっきりの涼介を見てたら、よく分かった。


涼介は、いのちゃんのこと特別に想ってるんだ、って。


それまで涼介に１番近いの、僕だと思ってたんだけどな。
胸をしめつける痛みは、失恋によるもの。
だから、僕は、涼介を諦めた。
……いや、まだ、その途中、かもね。




「……知念？」
「…………ん？どしたの？いのちゃん？」
「どうしたの、って……知念がハグする番だよ？」


言われて、ハッと気付いた。
まずいまずい、今いのちゃんと2ショット撮影の真っ最中だった……！！


「すみませんっ！」
「ふふ、珍しいね。
ほらほら早く、ぎゅーってして？」


いのちゃんが、首をコテンとして言う。
もう、これがわざとじゃないから厄介なんだよねぇ。
僕は、いのちゃんの肩を抱くようにしてハグをした。
そのままカメラの方を向けば、いのちゃんもそうする。
クールに決める僕と、気取らずに天然で可愛く魅せるいのちゃん。
カメラマンさんもノリノリだ。
撮影は、それから割とすぐに終わった。




楽屋に戻る途中で、いのちゃんにボーッとしちゃった理由を聞かれた。


「んー、ちょっと考え事しちゃった」
「そうなんだ？珍しくない？
おれでよかったら何か話聞くよ？」
「んー……」


あんな撮影の最中に涼介のこと考え出しちゃったのは、さっきいのちゃんと２人でいるとこを見かけたからなんだよね。
仲睦まじそうに会話してるのを見て、ちょっとだけ、胸がチクッとしたんだ。


このままじゃ、ダメなんだよね。
僕も前に進まなきゃ。
本当の本当に、涼介を諦めないと。


「……いのちゃん、話したいことがあるんだ」
「ほぁ？」
「今日、一緒にご飯いこ？」
「うん、いいよー」


ふわふわと答えてくれたいのちゃんと、２人でご飯にいった。

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