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「……そういえば……俺の店ってどうなったんですか?
そっちも一応名義は母さんから新一くんになってるんですよね。
取り壊しました?それとも誰かに売って、」
「まだ存在している。
手入れをしている奴がいるからな」
「……え?」


手入れを……誰が……?
まさか、新一くん、が……?


「なん、で……」
「……本人に聞け」
「聞けるわけないじゃないですか。
俺死んでるんですよ?」


笑いながら言えば小山内さんもそうだったなと言って笑うかもと思ったのに、笑うどころか少し表情が引き締まった。
そこに不安を感じて俺も強張ってしまう。


「……まさか、俺が生きていること本人に伝えてませんよね……?」
「当然だろう。
お前の生存を知った新一がココに押し掛けてくるのは目に見えている。
だがお前は、新一を殺そうとした。
その事実は変わることはない。
お前と新一が会った際に何が起こるのか、見当もつかない」


小山内さんの言葉は最もだった。
そうだ、俺は新一くんを殺したかった。
それも、新一くんが1番苦しむような方法で。
母親を盗られた、その恨みを晴らしたくて。


「そう、ですか。
やっぱり新一くん、俺が死んだと思ったままなんですね」
「……生きていると知らせたいのか?」
「まさか!
そんなわけないじゃないですか。
小山内さんの言うとおり、知らせてもし俺に会いに来たらどうするんです?
そもそも俺は、新一くんになんか会いたくもない、」


本当に?


誰のものか分からない声が俺に問いかける。
本当にそう思ってる?って。
その問いの答えが分からずに、俺はそのまま黙ってしまう。


「やはりお前は……」
「え、何ですか小山内さん」
「いや……賢明だな」


何かを言いかけた小山内さんが途中で止めてしまった。
皆目見当もつかないが、新一くんの話題はもうこの辺りでいいだろう。


「……ところで明日、店を借りるぞ」
「え……店を、ですか?」
「人と会う約束があるが、誰にも邪魔されずに語れる場を設けたい」
「……そんなの、もう俺の所有物じゃないんですから、俺じゃなくて新一くんに許可を貰って下さいよ」
「新一の許可は得ている」


いつの間に、2人は関係が修復したのだろう。
今回の事件やその後俺を匿ったことで、新一くんとの関係はあまり良好ではないと思っていたのに。

*→←第2章:外出



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りりた(プロフ) - 冬さん» ありがとうございます、なんとか時間を作って更新したいと思います、今しばらくお待ち下さい。 (2018年11月29日 18時) (レス) id: 068b0a2ee5 (このIDを非表示/違反報告)
- とても面白いです!!!続きが気になります!!更新頑張って下さい!!! (2018年11月29日 1時) (レス) id: 6f8cf75a15 (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - 白米プリンスさん» コメントありがとうございます、気付くの遅れてすみません…!ありがとうございます!そし誰見返す度に日下ロスに陥り、とうとう妄想を始めてしまいました(笑)ちょっとずつ頑張りますので、宜しくお願いしますm(_ _)m (2017年9月21日 9時) (レス) id: 068b0a2ee5 (このIDを非表示/違反報告)
白米プリンス(プロフ) - まさか「そし誰」の続きがりりた様の作品で読めるなんて…!ただいま絶賛感動中でございます。そしてバーテンダーの伊野尾様を思い出して悶える始末です(ただの変態)これからは更新の通知が来る度飛んで来ようと思います笑 (2017年9月12日 17時) (レス) id: bc3c2630ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りりた | 作者ホームページ:___  
作成日時:2017年9月11日 1時

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