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何だよそれ、とふくれ面を見せる涼介に、思わず口角が上がる。


昔の涼介は、こんなに表情を変えなかった。
感情の起伏を悟らせない人だったのにね。
いのちゃんのおかげというか、いのちゃんのせいというか、それでこんなに変わっちゃうんだなぁ。


「ま、いのちゃんに関しては僕に言えることは今のとこ何もないかな」
「そんな、何かアドバイスとかそういうのは無いの!?」
「ハグぐらいいのちゃんは気にしてないじゃない?
それより大貴の方なんとかしてよね?
みんながフォロー入れてくれてるとは言っても、本人が話さなきゃ解決になんないんだから」
「……うん、分かってる。
大ちゃんにはちゃんと謝るよ」


涼介が大きく頷いた。
そこは真剣で、僕もホッとする。
その後はいのちゃんについてぐだくだ何か言ってたけど、無視しといた。


2人でミーティングルームに戻ると、そこには座ってノートPCを弄るいのちゃんと、その横に立ったまま屈んで画面を見ながら話す宏太しかいなくて。
大貴は?と尋ねると、いのちゃんが、部屋に戻ってるよ、と教えてくれた。
どうするのだろうかと黙ったままの涼介を見る。
すると、涼介は、真っ直ぐ宏太の方を見つめて。
頭を、下げた。


「薮ちゃん、ごめん」
「え?」
「薮ちゃんは心配してくれたのに、俺、つい頭に血が昇って……。
薮ちゃんの気持ち考えなかった。
心配してくれて、ありがとう。
俺、今回はホームでみんなの帰りを待つよ」


涼介の言葉に驚いたらしく、宏太は目を見開き、いのちゃんの方を見た。
いのちゃんは笑ったまま、宏太の肩にぽん、と手をのせる。
すると宏太は、自分の頭をかいて、それから1つ、息を吐いた。


「……いや、俺もごめん。
涼介の任務への思い入れが強いことは知ってんのにな。
伝え方を間違えた。
ちゃんと言わなきゃ分からないよ、って伊野尾に説教されたわ」
「え……」


涼介の視線がいのちゃんに注がれた。
いのちゃんは、微笑みながら2人を見てるだけ。
流石だなぁ。
宏太に説教出来るの、いのちゃんぐらいだもんね。


「お前の気持ちは分かってる。
だけど、どんなに浅い傷でも、大事をとるに越したことはない。
だから、今回はゆっくり休んでほしい」
「……うん、分かった。
薮ちゃん、ありがとう」
「おう。
……じゃあ、俺は自分の部屋に戻るよ。
また後でな」


伊野尾、あと宜しくな、と宏太は帰っていった。
残されたのは僕と、涼介といのちゃん。

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りりた(プロフ) - サファイアさん» 初めまして、コメントありがとうございます(*^^*)精いっぱいがんばります!これからもぜひぜひ覗いてやってください! (2017年8月7日 9時) (レス) id: 068b0a2ee5 (このIDを非表示/違反報告)
サファイア(プロフ) - すごく面白いです!!コマンダーが大好きなので嬉しいです!続き楽しみに待ってます!!更新頑張ってください! (2017年8月7日 1時) (レス) id: 4e761e8dd9 (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - りった。さん» りった。様初めまして、コメントありがとうございます!本当に嬉しいです(*^^*)ずっと書きたくて半年ぐらい経ってしまったのですが、やっとお話が出来始めたのでUPしました(笑)亀更新かと思いますが頑張りますので、宜しくお願い致します! (2017年7月27日 8時) (レス) id: 068b0a2ee5 (このIDを非表示/違反報告)
りった。(プロフ) - りりた様、初めまして。りった。と申します。初コメ失礼致します。最近はせんせーしょんずの作品が減っていて残念でしたが、りりた様が更新して下さったおかげで、私の楽しみが1つ増えました!今後も応援させていただきます。初コメ失礼致しました。 (2017年7月25日 21時) (レス) id: 134476545d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りりた | 作者ホームページ:___  
作成日時:2017年3月31日 3時

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