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普段山ちゃんなんて全然呼ばないくせに。
普段こんなに優しくしないくせに。


何も言わない伊野尾ちゃん。
そのぬくもりで、包み込んでくれるだけで。
本当は誰よりも怖がりな自分を隠してるって。
そんな俺のこと、全部分かってるみたいに。


そして初めて気が付いた。
独りで死ぬかもしれない恐怖からやっと解放されて、ホッとしてる自分がいることを。


ボロボロに泣いてしまいそうで。
華奢な伊野尾ちゃんの肩に顔を埋める。


帰ってきた。
俺は、確かに生きてる。
あたたかさを感じられている。


もっと、もっとこのぬくもりが欲しくて、抱きしめる腕の力を思い切りいれてしまった。


「ッ……い、たい、やまちゃん……」
「あ……ごめん……」


背中をぽんぽんとされて、慌てて力を緩めた。
謝れば、大丈夫、とまた微笑みが返されて。


「もう遅いし、そろそろ寝よう?」
「……そう、だね。
ごめん伊野尾ちゃん、ありがとう。
俺自分の部屋に……」
「だーめ。
ただでさえ夜中帰ってきて皆を起こしそうだったんだから、もう部屋の出入り禁止。
ここで一緒に寝ますよー」
「えっ」
「ほら、そのまま寝ちゃえ寝ちゃえ!
ごろーんおやすみー!」


ベッドに座ってたから、そのまま引き寄せられれば寝れちゃうわけで。
伊野尾ちゃんも一緒に引きずり込まれてベッドの中。
布団も掛けられた。


2人で1つのベッドってなかなかですよ。
でも、疲れてた俺はもう落ちそう。
横を見れば、伊野尾ちゃんももう目を閉じてる。
穏やかな寝顔。


……可愛いなぁ。


見つめていたら、俺の心臓、鼓動が早くなってきた。


やべぇ。


俺も目を閉じれば、浮かんでくるのは伊野尾ちゃんのさっきの微笑みだった。


ああ、これって。
まさか、ウソだろ。


……でも、自覚してしまった。


この、瞬間。
伊野尾ちゃんに、恋をしてしまった。









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りりた(プロフ) - サファイアさん» 初めまして、コメントありがとうございます(*^^*)精いっぱいがんばります!これからもぜひぜひ覗いてやってください! (2017年8月7日 9時) (レス) id: 068b0a2ee5 (このIDを非表示/違反報告)
サファイア(プロフ) - すごく面白いです!!コマンダーが大好きなので嬉しいです!続き楽しみに待ってます!!更新頑張ってください! (2017年8月7日 1時) (レス) id: 4e761e8dd9 (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - りった。さん» りった。様初めまして、コメントありがとうございます!本当に嬉しいです(*^^*)ずっと書きたくて半年ぐらい経ってしまったのですが、やっとお話が出来始めたのでUPしました(笑)亀更新かと思いますが頑張りますので、宜しくお願い致します! (2017年7月27日 8時) (レス) id: 068b0a2ee5 (このIDを非表示/違反報告)
りった。(プロフ) - りりた様、初めまして。りった。と申します。初コメ失礼致します。最近はせんせーしょんずの作品が減っていて残念でしたが、りりた様が更新して下さったおかげで、私の楽しみが1つ増えました!今後も応援させていただきます。初コメ失礼致しました。 (2017年7月25日 21時) (レス) id: 134476545d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りりた | 作者ホームページ:___  
作成日時:2017年3月31日 3時

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