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「ほんっとーにごめん!!!」
「もういいってば大ちゃん、ホントにさ、こんなのただの掠り傷だから!
なぁ知念?」
目の前で謝り倒す大ちゃんに笑いながら返して、さらに知念に話を振った。
あれから何事も無くホームに着いて、ケガの心配はされたものの大したことがないと分かったみんなは、それぞれ自分の部屋へと戻っていった。
シャワーを浴びたりとか、夜食を勝手に作ったりとか、好きなことをして過ごしてる。
そんな中で、俺はソファに座って、知念によるケガの手当てを受けていた。
その俺の前に立って頭を下げている大ちゃんは、申し訳ないという表情を思い切り見せている。
「でも俺が油断したせいだから……」
「うーん、じゃあまあ次は気をつけて、」
「もし次があったら涼介の命は無いけどな」
宥めようとした言葉が遮られる。
遮ったのは、任務服から着替えて私服に戻った薮ちゃんで、内容は、とても重いものだった。
「ッ、」
「分かってるだろ。
俺たちの仕事は遊びじゃないって。
いつ死ぬかも分からない世界に生きてることをもう少し自覚してくれ」
「薮ちゃん、そんな、もういいって俺は無事なんだし」
「お前もお前だぞ涼介。
大ちゃんが危険で、庇う必要があったのは分かるけど、自分の体を盾にするな。
誰かを救う為に自分が犠牲になるのは、間違いだ」
何も言えずにさらに落ち込む大ちゃんを擁護しようとすれば、薮ちゃんは俺に対しても諌める言葉を告げた。
俺も、何も言い返すことは出来なくなる。
知念の方は、もう薮ちゃんに任せたといった感じで、俺の左腕に包帯を巻き終えると早々に立ち去っていった。
薮ちゃんの怒りはもっともだ。
けど、大ちゃんの方はもう、泣き出しそうな表情で。
「やーぶ」
そんな時、怒ってる薮ちゃんの肩をぽん、と叩いた人物がいた。
「……伊野尾」
「もうそんくらいにしといたらぁ?」
「けどなぁ!」
「もう、分かってくれてるよ。
大ちゃんもやまちゃんも、ね?」
ふわふわの笑顔で、気の抜けたような声で。
伊野尾ちゃんが、そう薮ちゃんに言った。
薮ちゃんは伊野尾ちゃんのことを見て、1つため息をついた。
「甘いんだよ、伊野尾は」
「ふふ、薮も、心配だから言うんだもんね?」
「るせ」
「素直じゃないなぁ」
「あーもー、とにかくもう2度とやるなよ!」
俺も風呂行ってくる、って、薮ちゃんがいってしまって。
伊野尾ちゃんと、俺と大ちゃんが、その場に残った。
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りりた(プロフ) - サファイアさん» 初めまして、コメントありがとうございます(*^^*)精いっぱいがんばります!これからもぜひぜひ覗いてやってください! (2017年8月7日 9時) (レス) id: 068b0a2ee5 (このIDを非表示/違反報告)
サファイア(プロフ) - すごく面白いです!!コマンダーが大好きなので嬉しいです!続き楽しみに待ってます!!更新頑張ってください! (2017年8月7日 1時) (レス) id: 4e761e8dd9 (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - りった。さん» りった。様初めまして、コメントありがとうございます!本当に嬉しいです(*^^*)ずっと書きたくて半年ぐらい経ってしまったのですが、やっとお話が出来始めたのでUPしました(笑)亀更新かと思いますが頑張りますので、宜しくお願い致します! (2017年7月27日 8時) (レス) id: 068b0a2ee5 (このIDを非表示/違反報告)
りった。(プロフ) - りりた様、初めまして。りった。と申します。初コメ失礼致します。最近はせんせーしょんずの作品が減っていて残念でしたが、りりた様が更新して下さったおかげで、私の楽しみが1つ増えました!今後も応援させていただきます。初コメ失礼致しました。 (2017年7月25日 21時) (レス) id: 134476545d (このIDを非表示/違反報告)
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