イロイロあつめました。(×in)

可愛いだけじゃない。(cbin) ページ9

おれより年上なのに、笑顔とか普通にしてても全然年上に見えないどころか、本当に可愛らしい千葉くん。
そんな千葉くんと恋人って関係になって、思ったのは。
彼が可愛いだけじゃないってこと。


今だって、ソファに２人並んで座って、映画を観ているんだけど。


「ちょ、ち、千葉くん……！」
「んん？なぁに伊野尾ちゃん？」


だんだんこっちに寄っ掛かってきたなぁと思ったら、最初は肩に頭を乗せてくる程度だったのが、ぐぐっと体重がかかって。
２人で前向いて観てたはずなのに、千葉くんはいつの間にかおれのことを見てる。
このままじゃ、倒れちゃう……！


「なぁにじゃなくて、あの、どーしたの？」
「伊野尾ちゃんにくっつきたくなったの」


だめ？って、可愛く首をかしげられて、そんなの抵抗できるはずなくて。
そのまんま、ソファに倒れた。
仰向けになってしまったおれの上に、千葉くんが寝てる状態。
千葉くんの頭が、おれの鎖骨のとこにある。


「でっかいソファ買っててよかったぁ」
「じゃなかったらおれ完全に落ちてたよ……」
「ふふっ」


その状態でおれのこと見たら、千葉くんが上目遣いになって。
あ、やっぱし可愛いなぁ千葉くん。
すり寄る感じで、頭をぐりぐりしてくるの、嬉しいんだけどちょっとくすぐったい。
なんだろ、甘えたいのかな？


「千葉くん、お疲れなの？」
「……ちょっとだけね」
「そっかぁ……」


なら、癒されて欲しいなぁ。
そう思って、それまでされるがままで、だらんと揺らしてただけの腕を、千葉くんの背中に回して。


「お疲れの千葉くんが元気になりますよーにっ！」


子供じみたことをやってみた。
千葉くんが一瞬固まったから、引かれたかなぁと思ったら、次の瞬間千葉くんがちょっと顔を上に寄せてきて。
おれの首の辺りまできた。


「ひゃんっ！？」
「……かわいいっ」


首筋を、ぺろって舐められた。
恥ずかしいし突然で、変な声が出ちゃったんだけど、千葉くんはそれを可愛いっていう。
そのまま、音をわざとたてるように、ちゅ、ちゅってキスしてきて。
だんだんその唇が上にあがってきて、今はほっぺた、しかも唇の横のとこ。


「ん、ちょ、ちばく……」
「なぁに？」
「なん、で……」


なんで、口にはしてくんないの。


そんなの言えるはずない。
なのに、千葉くんはそれをおれに言わせたいんだ。
だってほら、瞳がそう言えって言ってるもん……。

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