イロイロあつめました。(×in)

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一通り足の調子を診てやって、それが終わったら、次は風呂に入るよう促した。
少し力が入るようになってきて、自分でなんとか立てるようになったからって、もう帰りますよって言ったけどそれは却下。
ほとんどムリヤリ脱衣場に押し込めば、渋々入っていった。
出るまでの間に新しいタオルと着替えも用意してやる。


風呂から出た頃には伊野尾の緊張も解れてきたようで。
ソファの上に足を乗っけて、体育座りみたいにして。
貸した俺の服は伊野尾には若干大きく、完全に萌え袖状態なのが、すげぇこう、男心を擽ってくる。


「あいばくん、いろいろと、ありがとうございます」


しかもちゃんと礼は言えるってかわいいとこもあんだよなぁ。
それに稽古の疲れも相まって、もう眠気もあるんだろう。
呂律が回ってないよ、ところどころ。
ただ、まだ寝かせるわけにはいかない。
抱えた足を１本ずつ差し出させて、湿布を貼ってやりながら、本題に入った。


「今日、なんであんなに必死にレッスンしてたの？」
「ほぁ？え、なんですかぁ？」
「何ですかじゃねぇよ！
こんなんなるまでやって、足を壊したりしたら元も子もないでしょーが」
「……ん、まぁ、そうなん、ですけど……」


湿布を貼り終え、また足が抱えられていく。
その時ちらりと見えた右手は、まだ少し赤みを帯びている。


「こんな風に、悔しさ床にぶつけちゃうぐらい、つらいことでもあった？」
「…………敵わないなぁ、やっぱし、相葉くんてすごいんですね」


自嘲気味に小さな笑みを浮かべる伊野尾に、茶化すなという意味も籠めてしっかり目線を合わせてやる。
本気なのが分かったのか、伊野尾は視線をさ迷わせ戸惑い始めた。


「あ、あの、大したことじゃなくて……」
「これは、大したことだよ」


伊野尾の右手を、自分の手で包み込むように握って。
なるたけ、声を優しく。


「ほら、伊野尾。
話してみな？」
「ッ、…………るい、って……」
「ん……？」
「……おれの、ダンス、ゆるいって……言われました」


震える声で伝えてきた内容は、伊野尾が必死になってしまうのが理解できるものだった。


「誰に言われたの？」
「……いや、あの、ぼく運動神経あんまし、よくないし、それに、その場のノリというか、まぁほら、面白さやキャラにつながるわけですから、いいんです全然言われるのは」


誰かは答えない。
伊野尾、それさ。
庇う相手なんてメンバー以外いないだろ？

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