イロイロあつめました。(×in)

＊ ページ22

「ッ、あの！」


伊野尾が呼び止めた。
全員動きを止めて、伊野尾を見つめる。


そうしたら、伊野尾が。
いつもとはちがう、本当に、心を許したような。
まさに、“ふわり”って言葉が当てはまるような、そんな柔らかい微笑みを、向けてくれて。


「ほ、ほんとに……ありがとう、ございます」


そう言って、照れたように頬を赤く染めて。


それが、ものすごく可愛らしくて。


一瞬の間が空いた。


その時点で、全員が理解した。


俺たちが、メンバーであると同時に、恋敵となったことを。









END?




……後日。


「なぁ伊野尾、この小説読んだか？」
「あっ、まだ読んでないです！」
「ほんとに？じゃあ家にあるから、今日取りに来なよ」


と、小説とか本で釣る、シゲ。


「おーい伊野尾っ！
こないだのほら！土産持ってきたぞー！」
「えっ、手越今度はどこの国行ってきたの！？」
「イタリアイタリア！
マジで美味かったから、これ、一緒に食おうぜ？」


と、海外各国の食べ物土産で釣る、手越。


「な、これ！このTシャツとかどう？あとは、パンツとか！」
「わっ！めちゃくちゃカッコいいじゃないすか！」
「マジ？これ、俺も気に入っててさぁ、でも結構あるから、家のクローゼット見に来いよ！」


と、ファッションセンス武器にするまっすー。


……と、３人が３人、自分の武器で勝負してくるし、かく言う俺も。


「伊野尾、明日はどんなニュース扱うの？」
「あ、小山くん。
それが、結構難しいんすよね……」
「良かったら分かりやすく解説してあげるよ」


情報番組をやっているという共通点を利用して、抜け駆けしようとしているわけで。


抜け駆けすんな、そっちこそ！みたいな冷戦がずっと続いていることは、伊野尾には内緒である。









END.





ーーーーーーーーー


作者です。

悠さまへのリクエスト、こちらで頂いたもの、ラストでございます！
終わりかた迷子でしたが、とりあえずこのような形で……。

なかなか難しいお題でした……。
掲示板でもリクエスト頂きましたので、そちらもがんばります！
ありがとうございました！

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