おなまえ。(ymin) ページ40
ふわふわ。
ゆるゆる。
そんな、空気。
「やーまーちゃん」
「んー？」
「……うへへ」
うへへ、ってどんな笑いよ。
座る俺の足の間に、伊野尾ちゃんが座って。
背中を俺の胸にくっつけて。
ぎゅーってしてあげてたら、名前を呼ばれた。
返事をしたら、そんな感じで笑うだけ。
さっきから、どうしたの？
「ね、なんで名前呼ぶだけなの？」
「ふぇ？」
「話したいことがあるのかなって」
「んー、べつにぃ」
伊野尾ちゃんのお腹にまわしていた手を、にぎにぎされる。
さっきから何が楽しいのか分かんないけど。
伊野尾ちゃんは満足げ。
「やまちゃん」
「はいはい」
「うひっ」
うひってだから何なのさ！
可愛いけどほんとちょっとよく分からん！
「ねぇ、まじ分かんないから」
「ふふふ……や、ね、なんか、いいよね」
何が！？
大丈夫かな伊野尾ちゃんまじで。
「やまちゃん」
「…………」
「やまちゃん！」
「なぁに？」
１回無視してみたらなんか強めになったから、返事してあげた。
そしたらまた笑うから。
にぎにぎされてない方の手で、ほっぺたをむにゅってしてやった。
「にゅ！」
「伊野尾ちゃん、さっきから何なのー？
教えてくれるなら放してあげる」
「むにゅー！わあったぁ、はにゃしゅ！」
よし。
手を放したら、ちょっと伏せ目がちで恥ずかしそうに小さく言ってくれた。
「おれがやまちゃん、ってよぶ」
「うん」
「やまちゃんが返事する」
「うん」
「……うれしい」
「……は？」
伊野尾ちゃんが、手で口を覆ってしまった。
恥ずかしさMAXらしい。
ええっと、つまり何だ？
名前呼んだら俺が返事するのがうれしい？
「やまちゃん、そばにいるなって……うれしい」
小さく小さく続きを言った伊野尾ちゃん。
ああ、そういうことか。
思えばこうして２人の時間を過ごすのはどのくらいぶりなのか。
３ヶ月は経ってるかもしれない。
俺のドラマや映画撮影があったり、朝から夜まで伊野尾ちゃんはロケだったりするし。
淋しかったんだな、伊野尾ちゃん。
おれも淋しかったよ。
「伊野尾ちゃん」
「ほぇ？」
「ふは、確かにいいわ」
呼んだら、すぐに聞こえる返事。
電話とかじゃなくて、直接耳に届く声。
当たり前じゃないんだもんな。
幸せなことなんだ。
傍にいられることって。
名前をよんだり、よばれたりするって。
それからしばらく、よく飽きねぇなってくらい、たくさん名前をよびあって、この幸せをかみしめた。
END.
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りりた(プロフ) - まみさん» こんにちは、りりたです。小説が完成しましたので移行先にてお読みいただけますと幸いです。宜しくお願い致します。 (2017年4月4日 17時) (
レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)
まみ - ありがとうございます。嬉しいです。 (2017年4月4日 9時) (レス) id: 2d32cf5372 (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - まみさん» かしこまりました。こちらのページが現在いっぱいになってしまいましたので、移行後に書かせて頂きたいと思います。少々お待ち下さい。 (2017年4月4日 0時) (レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)
まみ - できれば家に帰ってから嫉妬するという感じがいいです。でもどんなやまいのも好きなので何でも大丈夫です。 (2017年4月3日 23時) (レス) id: 2d32cf5372 (このIDを非表示/違反報告)
りりた(プロフ) - まみさん» たくさんいらっしゃる素晴らしい占ツクの作者様の中から、お選び頂いて、こうしてリクエストして頂けることは光栄なことだと思います。リクエストの、事件をやまいので、というのは芸人さんを山ちゃんに置き換えてということですか？ (2017年4月3日 13時) (レス) id: 617a50f5a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りりた
| 作成日時：2016年12月2日 4時
