あつあつのフォンダン・ショコラをあなたと 1

16　華やかな職場の裏側 ページ16

ゆう「テレビを観たなら分かると思うけれど、こっちの店は、コーヒーとマカロンとケーキを売りにしたお店。

それに、モーニングもランチもやってるし、軽食メニューも充実してるから、開店してる間はずっとごった返してる。

頭のいいあなたならなんとなく分かるでしょ？

うちで社員として働くのはほんとに大変なんだ。

バイトの子達には、しっかり休みを取らせるけど、私とヨナはずっと働きっぱなしなの。

週２のお休みはあっても、その間に新作のケーキを考えたり次の準備をしたり、まぁとにかく、やらなきゃいけないことがたくさんあるワケ。

見た目は華やかな職場だけど、実態は超ブラックだよ。

嫌がらせやセクハラは何もないけれど、とにかくここは自分の仕事に誇りを持てる人でなきゃ絶対務まらない。

そんな大変な職場だけど、ここで社員としてやって行きたいって思える？」


A「…。」


ゆう「いきなりこんなこと言われても困っちゃうよね(笑)。

でもお店を経営するって、ほんっと大変なんだ。

だけどね。

美味しかった、また来るねって声をかけてくれるお客さんが沢山いるから、毎日大変だけど私達は頑張れてる。

ってね、うるさい話はもうおしまい(笑)。

さ、あともうひとふんばりするか(笑)。」


A「あ、あの、私…。」


ゆう「ん？どうかした？」


A「今からここで仕事をさせてくたさい。」


ゆう「なに言ってるの？

今日はここでゆっくりしてたらいいのよ？

まだヨナと話も出来てないし、あなたのブログにうちの店を紹介する記事を考えて貰わなきゃいけないし。」


A「大丈夫、そんなのいつでもパッと出来ます。

それより、見た感じ、今この店、全然人が足りてないじゃないですか？」


ゆう「ま、そうだけど。」


A「私、ホールも中も学生時代にひととおり経験してます。

全くの未経験者では無いですからすぐ戦力になりますよ？

自分で言うのもなんですが、私って結構出来る子なんです。」


ゆう「プッ、あぁおかしい。

さっすが、ヨナの妹、自分アピール半端ない(笑)。

じゃ少し手伝って貰おっかな？

この時間帯は、私達家族だけで回さなきゃいけないから、毎日結構無理してるんだよね(笑)。」

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