優しい人皆が皆、耐えられると思わないでください【ハイキュー】【青葉城西高校】

優しい人29 ページ30

徹先輩に着いて行った先には、


何かを嘲笑っているように見える花穏ちゃんと

険しい顔で花穏ちゃんに向かい合っている姫花と花那の姿があった。


なんで、こんな事に。2人は滅多に怒らない。

花穏ちゃんは一体何を言ったの？


姫花と花那は、何故か敬語で話している。

それは、周りの人に対しての言葉であるということの表しかもしれない。


3人に近付いた時、ふと聞こえた言葉



姫花「貴方や周りの人がぁ、Aのことを」


花那「優しい人というのならば」


姫,花「＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿」


『！！』


それを聞いた途端、私は色んな感情が溢れた。



♡o｡+..:*♡o｡+..:*♡o｡+..:*♡o｡+..:*♡o｡+..:*

時は遡り、午前中の練習ももう終盤といった所。


花那side


いつも通り私は姫花と一緒にマネージャーの仕事をしていた。

Aの事を考えながら。


どうやって誤解を解こうか、Aが良い人だと知ってもらおうか。

そんな感じのことばかり。



その時、たまたま桃崎花穏とすれ違った。

ずっと、仕事をしっかりこなすからAの頑張りが認められないのかと思っていた。


でも違った。此奴は選手の目に入る仕事しかやっていない。

面倒くさい雑用等の裏の仕事は全部Aに押し付けてたんだ。


だって、タオルやスポドリの準備も片付けも遅すぎるから。

慣れないなら慣れないなりに頑張っているとわかる。手伝おうと思える。


けど、此奴は焦る素振りも申し訳なさそうな素振りも見せない。

あぁ、面倒くさい。そう言っているような顔だった。


そうやって冷静に分析していた自分に驚いたけど、それ以上に怒りが込み上げてきた。

姫花も同じ状態らしく、私達は今まで誰にも見せたことの無いような顔になっていたでしょうね。



『なんであんたが信用されるのよ』


私は静かに、それでいて自分が出せる限界の声なんじゃいかって程低い声で言った。

その言葉に桃崎は反応して


花穏「はぁ？」


と私達の方に振り向き、睨みつけてきた。

あぁ、それがあんたの本性なのね。遅れて入ってきた時の自己紹介を聞いて感じたよく分からない感情。


今になってやっとわかったわ。此奴が前の私と似てるから。

あれはきっと、もう戻りたくない前の私を見ているようで嫌悪感を抱いたんだわ。

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