第四十一の花「藤と嫉妬」 ページ42
実弥と玄弥が藤の花に入った次の日。私達は、私達(主に私)がド忘れしていたあの件について話し合っていた。
『どうしましょうかね。まだ当日までかなり時間はあるけど、作戦とか何も考えてないし……』
実弥「俺らも暗殺に失敗してすぐに連絡を絶ったからなァ」
玄弥「失敗した事すら伝えてないし」
どうしたものか……この2人から情報が聞けないとすると、自分達で集めるしかないよね。でも前に善逸がハッキングしようとしたら危なかったんだよね……
うわぁ、どうしよう。こういう時は外に行くしかないよね。それで結構皆とは出会ってるし。
『ちょっと出掛けてくるね。皆は自由にしてて』
炭治郎「俺も行く」
『え?いや別に来なくても』
炭治郎「行くと言ったら行く!!」
ちょっと駄々っ子みたいだよ炭治郎。
『わかったよ。じゃあ、行ってきます』
「「「行ってらっしゃい」」」
『それで、どうしたんですか。炭治郎君』
炭治郎「………」
『黙ってちゃ分からないよ。私、エスパーじゃないし』
まぁ、わざわざ2人になって話す事なんて限られてるけどね。
炭治郎「Aは、優しいし頼もしいし困ってる人や苦しんでる人をすぐに助けるよな」
え、何急に。そんなに褒めても何も出ないぞ。
炭治郎「俺は、Aには凄く感謝してるんだ。出会ったばかりの俺達の話を聞いてくれて、家族を助けてくれて」
『炭治郎?どうしたの急に』
炭治郎「だから、誰が一番大切だとか気にしちゃいけないって事はわかってる。けど、どうしても考えてしまうんだ。俺の事は一番大切じゃないのかって」
あぁ、私何呑気に考えてたんだろう。炭治郎はこんなに自分の気持ちと葛藤して、悩んでるのに。こんなに声が震えているのに。
私には何が出来る?今の私に何が言える?
仲間って、ただいるだけで嬉しいし大切。私はずっと1人だったから。何も知らないから。悩みが生まれるなんてわからなかった。
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作者名:ろあ | 作成日時:2020年3月10日 6時