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第二十一の花「藤と情報」 ページ22

『ん……』


「((ビクッ」



もしかしてここで捕まってる子?ここら辺は女の子が多いのね。皆、もう希望なんてないのね。この前彼奴と会った時は親が居ないのが殆ど、なんて言ってたっけ。

そんなの、希望を持つなんて意味ない。希望を持たなければ絶望も無いものね。何も考えず彼奴らの言う事だけ聞いていればいい。


そういう考えになるように仕組まれてるのかな。早く、早く助けたい。でも焦っちゃダメ。焦ったら失敗しやすくなる。




まずは情報を集めないとね



『あの、彼奴らにどんな事されてるの?』


「ひっ……」



そんな事、いきなり来た何者かも分からない奴に聞かれたらそりゃ怖がるか。


「その子、いつも見せしめに殴られてた子なの。だから何聞いても怖がって喋んないと思うよ」



そういう事か。でも、この子はあまりにも怖がらなすぎでは?


「3ヶ月もここにいると慣れるよ。けどあんたは何か違うんでしょ?」



『心読まれた!』




「はぁ……顔に出すぎだよ。まぁ、その子より1番奥にいる2人の方が可哀想だけどね」
『それどういう事!?』



「食いつきすご。話し声が聞こえただけだけど、何でも凄い良い物?らしくて……けど、妹の方がすごい反抗的でそれをなくす為に毎日毎日殴ってんの。

でも、妹を殴ると姉が怒って反抗するから結局2人とも毎日殴られてる。私達より何倍もボロボロだと思うよ」



そんな酷い事。どうする?どうしたらいい?多分、さっきの2人は私で何とかなる。その他に何人もいたら?この子達が危ない?

いや、私が入ってきた場所以外には扉は無かった。檻が壊れてもすぐ逃げ出せないようにだと思うけど。


そういう意図があるんだとしたら1番奥の部屋にも扉、というか出口は無いかも。監視カメラは無さそう。お金がないって事?まだ誰も売ってはいないの?




よし、それなら私は1番奥の2人を助けに行こう。姉と妹って言ってたから女の子よね。

他の子達は皆に任せよう。きっと大丈夫。



『私と、私の仲間が貴方達も他の皆も助けるからね…!』

そう言いながら私にいろんな事を話してくれた女の子といつも殴られてるという女の子を優しく抱きしめた。



タンタン!


ガッバキッ!



『それじゃあ、ここで待ってて!』



「「((ポロポロ」」


「優しさなんてもう一生触れないと思ってたっ……」

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作者名:ろあ | 作成日時:2020年3月10日 6時

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