検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:4,310 hit

Conclusion ページ2




十分ほどして、二人は路地裏から抜け出していた。
裏社会で生きてきた勘が作用したのだろうか。
一度も迷うことなく、普遍的な通りに出てきたのである。


「うわあ、何処だろうね」
「高層ビルばかりだ」


周囲にはガラス張りの青い塔が立ち並んでいた。
昼間でも相当な人数が通行するが、誰も二人を気にする様子がない。

茶色い木の葉が風に吹かれて、カラカラと転がっていた。


「取り敢えず歩いてみようか」


二人は揃って歩き出す。
すぐに雑踏にのまれ、溶け込んでいった。

それから少し歩いたところで、二人は屋台を見つけた。
丁度二人が出てきた通りはビル群の端のようで、一寸歩けばすぐに建物は低くなった。
それに伴うように、ぽつんと屋台があったのである。

二人は立ち止まり、道路の隅によって会話をしている振りをする。
暫くして、誰かが屋台で物を買っていった。

それを見て二人は自然な会話をし、先に進んだ。


先程二人が見ていたのは、支払う時に使われた現金である。
どこか別の国であれば、違う通貨かもしれないと考えた為である。

そして結果は……

「どうやら、通貨は同じようだね」


つまり、ここは日本なのである。

それを再認識し、二人は散策を続けることにした。


次に二人はホームセンターらしき店に入ると、地図を購入した。
屋台の傍で立ち止まった時、会話をしながら彼らはスマートフォンで現在地を確認しようとしていた。
だが、それは出来なかったのである。

“圏外”

それが小さな四角い機械が導き出した、たった一つの答えだったのだ。

という訳で、二人は地図を買う羽目になったのである。
知らない場所で無闇に彷徨くことほど危険なことはないということだ。


そして、二人は地図を見て既視感と違和感を感じた。


「此処、東京のようだけど」
「でも、区の名前が大分違うようだね」

渋谷区、世田谷区……というのが、二人の知る東京だが、この地図には1区、2区……記されている。


二人は漸く一つの考えを口にする。
そう、正解にたどり着いたのだ。


「「どうやら此処は、異世界というやつのようだね」」

Coffee→←Prologue



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (25 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
43人がお気に入り
設定タグ:文スト , 東京喰種 , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- また、更新してもらえてうれしいです!頑張ってください!! (2020年1月4日 1時) (レス) id: 18b5c09236 (このIDを非表示/違反報告)
鶴来 アリス(プロフ) - 私も良いと思って見切り発車で小説を書くと後々猛烈に書き直したくなることがよく有ります笑 こちらでも、応援しております!頑張ってください!!待ってますー!! (2020年1月3日 2時) (レス) id: aa3614dbb5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:白冬ーShiroー | 作成日時:2020年1月1日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。