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『っ……伊野尾、今日は楽しむよ!』
会社を休んでまで
電車に揺られて着いたのは遊園地。
慧「なんで…遊園地?」
『いいから、私の話聞きたいなら着いてきて!』
強引に手を引っ張られると、館内を子供のように走り出した。
でも、ジェットコースター乗れねぇんだけどな…なんて思いながら、たどり着いたのは
『これ乗ろうよ!』
指を指した先は、思った通りのジェットコースター。
叫び声が聞こえて体が強ばる。
『んー、楽しみ!ね、伊野尾…?』
慧「あ、お、おう。」
『…もしかして
伊野尾って、ジェットコースター嫌い?』
Aが奇妙に笑い始めたと思えば
右腕はきっちりとガードされていた。
その後、どうなったかなんて…
乗らされまくりでクタクタで
その上、Aはジェットコースターもお化け屋敷も怖くないし
コーヒーカップなんて回されまくってどうなったことやら。
へっちゃらとでも言うように笑うAの後ろは、
夕焼けが迫っていた。
『伊野尾、振り回してごめんね。』
今頃、謝られても意味無いってば。
ちょっとキレ気味な俺。
そんなことを気にせず、Aは話し続けた。
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『でも、遊園地に来たのには理由がちゃんとあるから。
最後に観覧車…乗ろうよ。』
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そう言って俺の手を優しく握った。
横顔はなんだか辛そうに見えた。
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蒲鉾 2.。(プロフ) - 愛涼-Airi-さん» コメントありがとうございます!そんな作品になって嬉しいです! (2018年7月9日 11時) (レス) id: f36f7c9b79 (このIDを非表示/違反報告)
愛涼-Airi-(プロフ) - 短編なのに内容は濃くて感動しました! (2018年7月9日 9時) (レス) id: 56c9582f62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒲鉾 2.。 | 作成日時:2018年7月1日 15時