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『ありがと、お兄さん!』
ニコニコしながら、袋の中を見つめる彼女。
今日初めて会ったのにこんなことするなんて…
自分の神経を疑いながら、
助手席に乗って喜ぶ彼女を横目で見る。
慧「今頃だけどさ、名前なんて言うの?」
『中島 Aっていう。』
慧「Aか、じゃあ下の名前で呼ぶ。」
『お兄さんは?』
慧「伊野尾 慧。」
『じゃ、伊野尾って呼ぶね。』
"珍しい名前だね"と笑い出す。
暗くてよく見えないけど、肩が揺れている。
『1週間よろしくお願いします、伊野尾。』
敬語と呼び捨てが、どことなく噛み合わない。
そう思ったのは同じみたいだ。
また肩が揺れている。
慧「宜しくな、A。」
うん、…と俺の挨拶に応じた。
少し悲しそうな声が車に響いた。
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蒲鉾 2.。(プロフ) - 愛涼-Airi-さん» コメントありがとうございます!そんな作品になって嬉しいです! (2018年7月9日 11時) (レス) id: f36f7c9b79 (このIDを非表示/違反報告)
愛涼-Airi-(プロフ) - 短編なのに内容は濃くて感動しました! (2018年7月9日 9時) (レス) id: 56c9582f62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒲鉾 2.。 | 作成日時:2018年7月1日 15時