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『…でも、伊野尾に出会っちゃったんだよ。』
そう言って、俺の手をぎゅっと握った。
少し涙が滲んでいた。
『誰でもよかったけど、拾ってくれた伊野尾に今は感謝して…るんだよ…っ。』
声が震えてた。泣いてるんだって分かった。
下を向いたまま動かないAをそっと抱きしめた。
慧「A…よく頑張ったな。」
そう言うと、Aは声を上げて子供のように泣きじゃくった。
いつの間にか腰に手が回されていた。
ずっとずっと泣き続けて、
気付けばゴンドラは下の方に差し掛かっていた。
『ごめん、伊野尾。』
首を横に振ると、Aは顔を上げた。
『私、今思った。七夕のお願いごと決めた。』
慧「ん、どうした?」
Aの言ったことに驚きながら
引きずるように
2人でゴンドラから出た。
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____伊野尾、私のこと抱いて。お願い。
涙目のAはずっと俺を見つめていた。
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蒲鉾 2.。(プロフ) - 愛涼-Airi-さん» コメントありがとうございます!そんな作品になって嬉しいです! (2018年7月9日 11時) (レス) id: f36f7c9b79 (このIDを非表示/違反報告)
愛涼-Airi-(プロフ) - 短編なのに内容は濃くて感動しました! (2018年7月9日 9時) (レス) id: 56c9582f62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒲鉾 2.。 | 作成日時:2018年7月1日 15時