ごわ。 ページ6
・
「どうせ死ぬならあなたに殺されたいものです」
冗談っぽく笑っていったこのセリフは案外本気で。
もう彼に恋した時点で、私の命は時限爆弾付き。いつ死ぬか分からない。毒の進行が早ければ、遅いケースなど様々。
恋心を募らせて死ぬぐらいなら、貴方に殺されて死にたい。
「...あ˝？」
｢お友達ごっこしたいなら他所へ行け。ここは…ヒーロー科だぞ｣
爆豪くんが口を開こうとした矢先。教室の入り口に。寝袋に入ったままの痩せこけた男の人が低い声でそう呟いているのが見えた。
その奇妙な行動に、私を含め教室中が戦慄していた。
おい、誰か突っ込め。とか、そんな具合に。
｢ハイ、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限。君たちは合理性に欠くね｣
おもむろに寝袋から出たその背の高い痩せた男性は教壇に立った。
それが妙に板についていて、もしかしてこのヒト先生？！と、またもやクラス中が心の声を揃える。
｢てことは…この人もプロのヒーロー…？｣
爆豪くんに『デク』というあだ名で呼んで貰っていた(羨ましい)緑頭の子がそう呟いた。
彼の言っていることは間違っていない。が、このヒーローには見覚えがなかった。
｢担任の相澤消太だ。よろしくね｣
しかも担任。
相澤先生は今まで自分が入っていて寝袋をゴソゴソと漁り始めた。
そしてそこから出したものを突き付ける。雄英高校の体操服だった。
｢早速だが、コレ着てグラウンドに出ろ｣
普通の高校ではまず自己紹介から始めるものだが。いきなり体育のガイダンスだろうか
不思議に思いながらも、体操服に着替え、だだっ広いグラウンドへ出る。
「「個性把握...テストォ？！」」
担任の相澤先生は個性把握テストをするためにグラウンドに出たのだと説明した。
いきなりこれか。
入学式とガイダンスより先にやるのがテスト？！いやな響きだ。テストだなんて。
｢入学式は！？ガイダンスは！？｣
｢ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ｣
可愛らしい顔をした女の子が相澤先生に聞く。相澤先生はその子に見向きもしないで淡々と答えた。
｢雄英は"自由"な校風が売り文句。そしてそれは"先生側"もまた然り。｣
ちょっと何言ってるか分からないです。なんて流石に言いづらかった。然りってどういう意味だっけ。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まま松(プロフ) - 七海さん» ご指摘ありがとうございます！！！ (2017年12月17日 11時) (
レス) id: f1b51d79cc (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - 初めまして！とても面白いです。よんわ。の最後の方「初めて雨があった。」となっていますが、「目」ではないでしょうか？更新楽しみにしております！ (2017年12月16日 14時) (レス) id: 3fa1845ca1 (このIDを非表示/違反報告)
ｼｮﾎﾞﾝ(プロフ) - まま松さん» にわかのどこがいけないんですか！！皆最初はにわかからですよ！愛があれば乗り越えられない物なんて無い（（こちらこそ、いつも素敵な小説をありがとうです(*´∀｀*) (2017年12月2日 0時) (レス) id: cfb5abdebb (このIDを非表示/違反報告)
まま松(プロフ) - ＃赤色とまとさん» 失礼しました！ご指摘ありがとうございました！すっかり忘れていました…。 (2017年12月1日 6時) (レス) id: 82e129bae2 (このIDを非表示/違反報告)
まま松(プロフ) - ｼｮﾎﾞﾝさん» ごりっごりのにわかですが…(￣▽￣;)爆豪くん好きなので頑張りたいです！いつも作品見てくれてありがとう！ (2017年12月1日 6時) (レス) id: 82e129bae2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
