第2話 桜 ページ3
織田軍の城、安土城に軽やかなステップと誰かの鼻歌が響き渡る。
「…あれ、Aさん。こんにちは。随分とご機嫌ですね?」
「蘭丸くん!こんにちは、今日も可愛らしいね。それがね、さっき城下の子供たちにこれを貰ったの!」
Aが手に持っていたのは、ピンク色に染まった小さな花だった。
「これは…桜、ですか。もうそんな季節なんですね。」
「やっぱり蘭丸くんも、そう思うよね。私も貰った時同じ事思っちゃった。」
Aは手に持った小さな花をくるくると手先で回しながら、嬉しそうに蘭丸に見せる。
その様子を微笑ましく眺める蘭丸は、Aにある提案をした。
「その桜、信長様や他の方にも見せて差し上げたらどうですか?きっと皆さんも驚きますよ」
「そうだね。よし、そうと決まれば早速見せに行ってきます!」
ふざけたようにピシッと蘭丸に向けて敬礼をすると、Aは視線に入ったのであろう、柴田勝家の元へ先程同様のステップと鼻歌で近づいて行った。
「ふふ、Aさん楽しそうだな。…桜か。お花見でも出来たらいいな。光秀さんに相談してみよう。」
後日、この領地争うが起こる地に、一部平和な空間が出来たとか、出来なかったとか。
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作者名:ザクロ | 作成日時:2018年1月3日 16時