ドSな美人、副会長《菅原孝支》

08.菅原side ページ10

「村田先輩はどこで

待ってるんでしょうかね？」


日向の何気ない一言が

部室に響き渡る。

あ、あれ？

そう言えば。


『待ってます』


とは言われた。

いや、嘘。

それすら言われてない。

ただ、


『早めに終わらせてくださいね』


としか。

でも、どこでとは言ってないし

まず、何処で待ってるつもりなんだろうか

俺は少し焦り

慌てて着替えたら。


「ごめん！大地！おつかれ！」

「お、おう。」


走って、彼女を探す。

昇降口？

体育館の入口？

裏門？

正門？


(嘘だろ、どこにもいない。)


こんな時、彼女の連絡先

持ってないとか。

かなり、焦ってきた。


ｺﾂｺﾂ…


誰かの足音

たぶん部員の誰か…


「何してんですか？」


呆れ声で人を小馬鹿にしたような

月島に似た口調

振り返ったら

彼女がいた。


「よ、よかったぁ。」

「え？意味が分からないんですけど」

「いや、日向がさ」


さっきの少しの出来事を説明する

彼女は何故か嬉しそう

でも、すごく馬鹿にしたような顔になり


「それで、先輩は子犬みたいに

走って私を探してた？」

「ば、犬って酷いべ！これでも先輩！」

「…馬鹿みたいに必死で？」

「無視か！人の話は無視か！」

「アホですね」

「ちょ、可愛くない後輩！」

「ありがとうございます」

「褒めてないし！」


翻弄されて、気づいてなかった

彼女の指先と鼻先が少し

ほんのりピンクになっていた

この時期、昼は暖かいけど

夜は冷え込むし。


――――

S？Sなのか？
翻弄される菅原さんを描きたかっただけです
いつもは、爽やかで熱い人だけど
人に翻弄される姿ってみないような？

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