ドSな美人、副会長《菅原孝支》 (ページ30)

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固まる顔が何だか幼くて、可愛くて、子犬みたいで。もう少し見ていたい。もう少し知りたい。もう少しいじめたい。もう少し取り乱して欲しい。

(ん～、わたし変なのかな？)

そう思うほど。私は彼が気になる。
でも、1つだけ問題点。私…彼の事まだ恋愛として異性として男性として恋人として見れてない。

(…こんなの恋人じゃないしな)

「…かっこ悪い…」

ぼそりと呟く彼は、耳まで赤く手で顔を押え私を見ない。

「カッコ悪くないですよ」

「……」

じっとりと見つめられた。彼の顔が、男なのに。彼氏なのに。と物語ってる。
その顔が可愛くて、本当に年上に見えない。

「…手、貸して？」

首をこてりと倒す。いいですよ、と応えて手を貸し彼を起こす。

「…日曜日」

「え？」

咄嗟のことで反応が鈍った。でも、日曜日と言われた。

「次の日曜日の午後、空いてる？」

次の、日曜日の、午後…。
確か…その日は〝友達〟がコッチに泊まりがけの練習試合にしに来て…その後に約束してた。

「すみません…その日は〝東京〟から友人が来まして…案内する予定なんです」

「……そっか、」

「…土曜日は空いてないのですか？」

土曜日は生徒会の仕事で学校に行く予定ではあるけど…絶対って訳では無いので。友達の予定まで仕事をすれば良い。先生に事前報告をし、当日職員室に行けば行ける。

「…午前中なら…それか、夜7時過ぎなら」

「何かあるのですか？」

何かあったっけ？
私、個人の勝手だけど、できる限り全校生徒の顔と名前と学年と部活を把握してる。
そこまでは把握出来たが、部活の活動日までは把握出来てない。
入野会長は全部把握してる。うん。規格外。
何故そんなどうでも良いことを把握してるかというと、なんとめんどくさい事に月に2回くらい、部活をやってる生徒達同士で揉め事をしてる。

「…部活で、〝東京〟からコッチに来てくれる人達が居て、練習試合することになった。青葉城西も含めて4校で。」

その日は俺たちが使用する日だとか部費がなんでこっちは少ないんだあっちは多いんだと。めちゃくちゃどうでも良いことを。
早期解決するため把握することは良い事だと思い。
私も生徒会長の真似をしてる。

「…そうなのですか…珍しいですね、青葉城西と言うと強豪校ですよね？普通に烏野と気軽にできるとは思わないのですが…？」

「あー、」

視線を彷徨わせる菅原さん。

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