弐 ページ5
母が部屋を出てすぐ、ピンポーンとインターホンが鳴った。
宅配便かな。
はぁい、と母の柔らかい声が微かに聞こえる。
しかし、その後に聞こえた母の声は、先程の陽気なものとは正反対だった。
バァン!!!
勢いよく扉が開く音がした。その後に聞こえたのは、母の悲痛な叫びと、何かが割れる音、壊れる音だった。
慌ててベットから降り階段を降りる。あと数段の所まで降りて気づいた。一番下の段に少しついた、赤黒い液体。そしてこの鉄っぽい匂い。これは、血だ。
脳裏に最悪の状況が浮かぶ。
いやだ。やめて。お願い
恐る恐る、一番下の段まで降りる。
そして、見てしまった。
血だらけで、廊下にうつ伏せに倒れている母と、その上に跨る男を。
「お前が、、、お前が悪いんだ、、、
お前が俺を捨てるから、、、。俺は、お前をアイシテいたのに、、、」
男が、母に何度もナイフを突き刺す。
ナイフが抜かれる度に血が飛び散り、壁や床を染めていく。
私はそれをただ眺めているしかなかった。
頭が真っ白になっていた。
『お、、、かぁ、さん、、、?』
母はもうピクリとも動かない。
嘘だ、さっきまで、いつもみたいに笑ってたのに。
ああ、また、大切な物を失った。
、、、あの時?あの時ってなんだ。
私はこの光景をどこかで見たことがあった。
《、、、し、ぐれ、、、にげ、て、、、》
私の名を呼び、消え入るような声で呟く女性、
私はそれをすぐに母だと確信した。
知らない記憶が頭をよぎっていく。
何かが私達を襲う。家族が次々と殺されていく。壁も、床も、そいつの体も真っ赤に染まっていた。
その光景は、今の状況に酷似していた。
これは、誰の記憶だ、
いや、
これは、私の、記憶だ
私の前世だ
忘れてしまっていた記憶がどんどん蘇っていく
母のこと、父のこと、姉のこと、
そして、鬼のこと、鬼殺隊のこと
『あ、、、ああ、、、』
思い出した。
全部、全部、思い出した。
私は、
《私は鬼殺隊雨柱、雨龍時雨。私の使命は鬼を滅し、鬼舞辻無惨を倒し、鬼のいない世界にする事。その為なら、この命、喜んで捧げましょう》
私は、鬼殺隊の雨柱だ。鬼を倒し、人を守る、鬼殺隊。
俯いていた顔をあげ、男をみる。
そいつの周りには赤黒い霧がかかっていた。
赤黒い霧がかかっているのは、鬼の証拠。
鬼は、鬼は
『鬼は、殺さないと、、、』
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唯香 - あの〜すいません16ページに爆豪の友が「時雨」を「雨龍」と言ってるんですけど、これ間違いですかね？ (2023年2月18日 12時) (
レス) @page20 id: 83d35673c4 (このIDを非表示/違反報告)
むを - てきとう、、、、、（笑） (2020年7月16日 14時) (レス) id: 2a8953498e (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭 - ｱｯすいません。姉に言われて調べたら『ときとう』で合ってましたお騒がせして申し訳ありません(..) (2020年5月18日 10時) (レス) id: 967154a2b6 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭 - コメント失礼します 続編が出来てるのに此方のコメントで言うのはアレなんですけど、、、無一郎君の名字は時透と書いて『てきとう』ですよ!続編の更新頑張って下さい(((o(*ﾟ∀ﾟ*)o))) (2020年5月18日 10時) (レス) id: 967154a2b6 (このIDを非表示/違反報告)
ホイップパンケーキ - とっても面白いです！ (2020年5月3日 14時) (レス) id: ee596a7d3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねこまんま | 作成日時：2019年9月5日 16時
