APTX4869 ５【名探偵コナン】

第187話 ページ10

「…………ショタの寝顔しんどっ」

工藤の眠るベッドから離れて伸びを一つする。
現在時刻四時三十分。
はっきり言って眠い。当たり前か。

物音を立てると工藤を起こしてしまうかもしれないので、抜き足差し足でホテルに備え付けられた化粧台に腰を沈める。
何かあった時用に持って来てあったノートパソコンを開き、あまりよろしくない方法で、橋本慎二について調べる。





「………くる、す？」

「おー、工藤おはよー」

モソモソとベッドの山が動いて工藤が体を起こす。
私はパタリとパソコンをホーム画面に戻して閉じた。

「今なん、時だ？」

「6時20分くらーい、顔洗いなー？コーヒー淹れるー？」

部屋のカーテンを開けて朝日を取り込みお湯をセットする。

(うーん、なんか謎に子持ちの母の気分)

目元をこすってこちらに戻ってきた工藤。
私もそろそろ出かける支度でもするかとクローゼットを開ける。


七時半。朝のニュースをベッドに腰掛けぼんやり鑑賞していると、部屋のドアがノックされ、私たちは朝食の時間かと身支度を整えて部屋を出る。

「おはよー」

「おはよう！A大丈夫？」

昨夜部屋から顔を出さなかったせいで、無駄に心配させてしまったのか二人は必要以上に私を気遣ってくれる。

「大丈夫！もう治ったよ、けど一応今日は大事取ってホテルで休むから観光はごめん和葉ちゃんと三人で行って？」

「えっ、Aは行かないの！？」

「うーんいつまたあの便意に襲われるかと思ったら怖くて行けない」

「そっか…」

朝食前にこんな私の嘘のトイレ事情を聞かされる二人には大変申し訳ないが、これもまぁ世のためだ。許してくれ。

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