第211話 ページ46
萩原side
「ほーい陣ぺーちゃんにもプレゼント」
「あ?」
ロビーで待ち合わせていた松田にAちゃんからのお土産を渡すと、突然の贈り物に見当がつかないのか首をかしげる松田はわずかに眉をひそめる。
「来栖Aちゃんからの大阪土産。律儀だよねー、話にしか出てきてない伊達の分まであるんだ〜」
ピクリとこめかみが動いて来栖Aの名前に反応するのが面白い。
(気にかけまいと思ってる時点で気にかけてんのとおんなじなのになぁ)
面白いので何も言ってはやるまいが。
「…………大阪と言やぁお前なんかちょっと前まで向こうとゴタついてたよな?」
雪ちゃんのこととか結びつけてしまうのが嫌なのだろう。だがしかし逸らした話がこれではもう運命でしかない。
「まぁねー何でも大阪に設置された爆弾について、助けを求める電話が俺にかかってきたもんだから」
ちょっくら意地悪してやろうと遠回しに言ってみる。
「…なんでわざわざ東都なんだ?」
「ちっがうよ、電話は東都の警視庁じゃなくて、俺に!来たの」
「あ?どう言うことだよ」
「どーもこーも俺の携帯に直接ってこと〜」
really?首を傾ければ松田は少しイラついたような視線を寄越して答えを催促した。
「つまり、Aちゃんが向こうで見つけた爆弾の連絡を俺に直接してきたってこと」
眉が少し上がって驚いた顔をしたくせにすぐにごまかして松田は無言を貫いた。
「目の前に沢山爆弾があって、下には多くの人がまだ残っていて、エレベーターは使えない上に時間も限られてるから自分で解体するので指示をくれって……すんごい子だよねぇ」
「…………おい、それでまさか教えたんじゃないだろうな?」
「それがそのまさか………ヒィ」
思わず息を飲んでしまった。
(いや、怖すぎる、殺気がすごい…)
その殺気に気づかなかったフリをして話題を少しばかり逸らす。
「同じ場所にあのよく事件に居合わせる江戸川コラン?コナンか、コナンくんと何か西の高校生探偵の服部平次君もいたからそっちは俺の同僚から指示だしてって感じで解体したんだって、向こうの刑事にこってり絞られたってさ」
「………あったりめぇだろ」
話を聞いたところで怒るに怒れないのがまたもどかしいのだろうか。
(難儀だねぇ)
非道なことしない限り俺は松田の見方だからねーと思いつつ少し早歩きになった松田の後ろをついて行く。
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黒木(プロフ) - 毬莉さん» コメントありがとうございます、一気読み!?嬉しいです、今後とも本作をよろしくお願いします! (2020年9月16日 19時) (レス) id: 12a6d1a355 (このIDを非表示/違反報告)
黒木(プロフ) - りーさん» ありがとうございます、嬉しいです。更新致しました、読んでいただけたら幸いです、 (2020年9月16日 19時) (レス) id: 12a6d1a355 (このIDを非表示/違反報告)
黒木(プロフ) - リオさん» こちらこそコメントありがとうございます!正解です!!キャラが関わるほどではなかったのでクロスオーバーのタグ等はないのですが、誰か気がつかないかな〜なんて思って書いたんです。ありがとうございます! (2020年9月16日 19時) (レス) id: 12a6d1a355 (このIDを非表示/違反報告)
黒木(プロフ) - もってり子さん» ありがとうございます。嬉しいです、更新致しました、楽しんでいただけたら幸いです! (2020年9月16日 19時) (レス) id: 12a6d1a355 (このIDを非表示/違反報告)
黒木(プロフ) - 液体さん» コメントありがとうございます!更新致しました、読んでいただけたら幸いです (2020年9月16日 19時) (レス) id: 12a6d1a355 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒木 | 作成日時:2019年8月23日 17時