第135話 ページ5
トイレに入るとすぐ背後に忍び寄る影。
「ここ女子トイレなはずなんですけど」
クルリと振り返れば今まさに眠らせようとしていたのか可笑しな格好をしたキッドがえっと固まる。
「せめて眠らせるまでは女装してようよ、なんかすごい助平みたいだよ」
腕を組んで指摘してみるとキッドはすかさずキザなお辞儀をしてよそ行きの声で私に詰め寄り手を取る。
「これは申し訳ありませんお嬢さん、どうかこのことは秘密にしていただけませんか」
ポフンと現れた青薔薇差し出されるのを受け取ると同時に一瞬くらりと浮遊感で平衡感覚が狂う。
一度は足に力を入れて耐えるも、私は怪盗の腕の中に倒れてみせた。
(流石は国際指名手配犯。手際が良いな)
女に化ける時は服は持参するのか、私と同じドレスを纏ってそっくりさんになってしまった怪盗は私を個室に座らせトイレを立ち去る。
誰もいなくなったことを確認して目を開ける。
キッドの予告時刻を数分前と目前にした時刻を示す時計に、少し思考を巡らせた。
(いつもはハングライダーを使って飛び去るんだよね。じゃやっぱり今回も屋上なのかな)
まだ賑わいを見せる会場には戻らず屋上を目指す。
「管轄外だし、今の姿じゃ逮捕権もあるか定かじゃないしな。捕まえる気はさらさらないんだが!」
賑やかな悲鳴が下の階から聞こえてくるのを無視して屋上の扉を開ける。
「爪痕残すって言うか鼻明かすくらいはしなくちゃね」
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黒木(プロフ) - 風野さん» 風野様、ご指摘ありがとうございます、すみませんアニメでは見ていても小説に平次くんを出したのは初めてで気付きませんでした!助かりました!!本当にありがとうございます。引き続きAPTX4869をよろしくお願いします!! (2019年8月18日 22時) (レス) id: 0488b133c6 (このIDを非表示/違反報告)
風野(プロフ) - 初コメ失礼します。初コメがこんな内容で申し訳ないのですが、平次くんの一人称はオレではないでしょうか?間違っていたら申し訳ありません!大好きなお話だけに気になってしまって、、いつも楽しく読ませてもらっています! (2019年8月18日 22時) (レス) id: b410b73e9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒木 | 作成日時:2019年7月26日 21時