第165話 ページ35
待ち合わせ場所。
指定された場所には白いスポーツカーにもたれかかりつつも警戒を怠らないバーボンの姿があった。
気配を完全に消して降谷の隣に立つ。
「今日さ、本当はベルモットの仕事の筈だったんだよ。あの人って本当自由よね」
バッと、音がしそうな勢いで振り返る降谷、数歩後ろに飛びのいて拳銃を向けられる。
「………A、さん?」
呆気に囚われたと言う顔をしてひたすらに目を丸くする降谷に笑いかける。
「こんばんは安室さん。まさか貴方がかの有名な探り屋さんとは、びっくりです」
「………では貴方があの?」
「あの?私がなんと組織で呼ばれているかは分かりかねますが、マティーニというコードネームで組織に所属させていただいたいています」
動揺が隠しきれていない安室さんに車に乗ることを促す。
「動揺しまくりのところ悪いですけど、私組織に貢献する気さらさらないですからね?」
その発言に落ち着きを取り戻した降谷がちょっと笑うようにして聞き返す。
「それ、僕に言ってもいいんですか?ジンに報告するかも……」
「それはない。だって私貴方側、つまり組織を壊滅させたい人間側だから」
そう言うと自覚はないのだろうがハンドルを握る手の力が少し強まる。
「僕が組織を壊滅させたい人?Aさんは面白いことを「降谷零」」
そう告げるとほぼ同時に、車を止めた降谷に組み敷かれ眉間に銃口を当てられる。
「質問をどうぞ」
そう言うと降谷は眉をひそめる。
「何故そのことを知っている?」
「警察庁のNOCリストをハッキングしたから。私かなり得意なの。組織の情報もそれで抜き取ってジンに接近してこの組織に入った」
「………何のために?君は一体?」
「組織を壊滅させるために。私江戸川コナンくんの親戚の工藤新一と成績を争ったりするライバルだったんだけど、コナンくんが追ってるってこと知ってなにか力になれないかなって」
信じられないという顔をする降谷に自嘲してみせる。
「でもこんな高校生が出来ることなんてたかが知れてる。だから、初めはね、何もするつもりはなかったの。ジンに接近したのも故意じゃない。けどたまたま夜道歩いてたらあの人が仕事をしているところに出くわして…やるなら今だって、そう思った」
「……君は一般人なんだぞ。組織を壊滅させたとしても、君まで捕まるのはわかっていることだろう」
「でも貴方がいる。協力者は欲しかったし、大きく動く前には接触するつもりだったから問題ない」
455人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒木(プロフ) - 風野さん» 風野様、ご指摘ありがとうございます、すみませんアニメでは見ていても小説に平次くんを出したのは初めてで気付きませんでした!助かりました!!本当にありがとうございます。引き続きAPTX4869をよろしくお願いします!! (2019年8月18日 22時) (レス) id: 0488b133c6 (このIDを非表示/違反報告)
風野(プロフ) - 初コメ失礼します。初コメがこんな内容で申し訳ないのですが、平次くんの一人称はオレではないでしょうか?間違っていたら申し訳ありません!大好きなお話だけに気になってしまって、、いつも楽しく読ませてもらっています! (2019年8月18日 22時) (レス) id: b410b73e9b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黒木 | 作成日時:2019年7月26日 21時