第162話 ページ32
「どう?推理は順調ー?」
私は気がついた異変を工藤に教えたりして様子を伺う。
カフェの入り口では警察が到着したのかまた君達かなんて声が聞こえてふと視線をやる。
「いやぁ今回は悲鳴がしたから駆けつけただけであって、決してその場にいたわけではないんですよ?でもご安心ください!この毛利小五郎が必ずや解き明かして見せましょう!!」
自慢げに宣言する毛利探偵。
捜査一課の皆様は慣れているのか苦笑い。その中に松田がいるのを見つけて心臓がドクンと跳ねた。ふと顔をこちらに向けた松田とサングラス越しに目があって、それが気まずくて私は何でもないようなフリをして工藤に話しかける。
「今毛利探偵が名乗った時、右から三番目のテーブルのボブの女性と中央丸テーブルの40代前半くらいの男性が過剰に反応した」
「……よくそういうの気づくな」
「心理も留学のとき大学でちょっと教えてもらった。間違いない。どう解けそ?」
「……あぁ、もう事件の全容は見えてきたぜ」
ニヤリと笑う工藤に小さく口笛を吹く。それなら後は大丈夫だろう。私はそっと蘭たちのところへ戻って傍観する側に徹することにする。
「お前、あのガキに何言ったんだ?」
「…………ビックリしました後ろから突然はやめてください松田刑事」
気配はわかっていたがまさか松田とは、ビックリしすぎて固まりかける。
松田はいたずらっ子の様に笑って悪いとこぼす。
「それ絶対思ってない人の顔ですよ」
「へーへー」
「なんです?この間は全力で嫌ってた癖に」
「今でも嫌いだぜ」
「なんなんですか!?」
わけわからんとジェスチャーするとまたクツクツと笑われる。
「 コナン君に何言ったかでしたっけ?別に何も?コナン君面白いとこ気づくんで見学してただけです」
「………そうかよ」
「聞いといてそれですか!なんなんだあんた」
思わず突っ込んでしまう。何が聞きたかったんだ。
「…………この間は悪かったな」
「……えっ」
「だからこの間のだよ。お前が帰った後萩原と安室とか言う店員に当たりすぎだって怒られてな」
「ふふっ」
絶妙な顔して謝る癖に言われて仕方なくみたいなこと言うので発言と顔がミスマッチすぎて笑う。
「……何がおかしんだよ」
「だって顔と発言合わなさすぎて、言われたから謝ってるんじゃなくて普通に松田さんが悪いと思って謝ってくれてるんですよね?本当は優しい人なんだ?」
「うっせ」
揶揄うように顔を覗き込むと顔面を手で押さえられる。
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黒木(プロフ) - 風野さん» 風野様、ご指摘ありがとうございます、すみませんアニメでは見ていても小説に平次くんを出したのは初めてで気付きませんでした!助かりました!!本当にありがとうございます。引き続きAPTX4869をよろしくお願いします!! (2019年8月18日 22時) (レス) id: 0488b133c6 (このIDを非表示/違反報告)
風野(プロフ) - 初コメ失礼します。初コメがこんな内容で申し訳ないのですが、平次くんの一人称はオレではないでしょうか?間違っていたら申し訳ありません!大好きなお話だけに気になってしまって、、いつも楽しく読ませてもらっています! (2019年8月18日 22時) (レス) id: b410b73e9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒木 | 作成日時:2019年7月26日 21時